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君と見た世界は
A
また何故か三蔵の膝の上の勇騎。
悟浄と悟空の間の紫。
「やるか、チビ猿!!」
「やらいでかぁッ」
「俺を挟んで喧嘩すんな!」
後ろはいつもの様に賑やか。
勇騎は大人しく今日も座ってる。
多分車に酔ってるから…。
「降りてやれ、降りて!!」
三蔵が叫ぶ。
八戒はにこやかに笑う。
ゴンと隣りで嫌な音がした。
ハンドルが右に回る。
ぐらっと右傾く先は…川。
どぶぶぶん……
皆、水から顔を出す。
「久しぶりですね…水浴びは」
笑う勇騎。
「喜んでるのはてめぇだけだ!」
バシッと頭を叩く。
その時、クスクスッと笑い声が聞こえて顔をあげる。
女性が居た。
6人が見ると謝り「楽しそうだったからつい…」と涙まで流して笑っていた。
三蔵は一瞬にしないでくれと頭を抱える。
「もしかして、洗濯にいらしたんですか?スミマセン、水を汚しちゃって」
「…それより、ど―すんだよ。替えの服までズブぬれじゃんか」
悟浄がリックを水から引き上げる。
「―あ。服を乾かすからウチの村まで来ませんか?わらっちゃったお詫びに熱いお茶でも」











「助かりました。スミマセン、服までお借りして」
と八戒が言うとあとズルズルと三人が出て来た。
紫は、普通にポケットから着替えを出して着替えたからいつも通り。
紫もそうだ。
「サイズが合って良かった」と旬麗は笑う。
ドンドンッと扉が叩かれて旬麗は扉を開ける。
どうやら昼を持ってきてくれたらしいが二人は食べれない。
「オヤまぁ…色男ぞれいじゃないか!アタシもあと10年若ければねェ」
「「20年の間違いでしょ。おばちゃ―ん」」と悟浄と勇騎がハモる。
それを見て八戒がクスッと鼻で笑った。
「アタシは、今アンタ達に感謝だよ。」
「感謝?」
窓ね外の旬麗を見て「あぁ…何せ。旬麗の笑顔なんて久しぶりに見れたからね」と言った。
「…え」




旬麗には仲の良い恋人が居た。
旬麗は人間で彼は妖怪だった。
人間と妖怪…
異種間の交わりは禁忌てされているが、村の誰もが二人を祝福したが…
――1年前の妖怪の凶暴化により村の妖怪達すべてに異変がおとずれた。
彼もそんな中の一人だった――。
完成に自我を無くす前に――旬麗をふりきって飛び出してっちまったのさ
それきり彼は帰ってこなかった。
旬麗はその日から笑顔をなくしたんだ。
あの子は―――旬麗は恋人がいつでも帰ってこられる様に
寂しさを紛らわすように…
いつもああやって洗濯してるのさ…。




「アタシはね…滋燕が生きてる事を願うばかりだよ…。」
「ジェン…!?その男、ジェンってのか!!」
「ああそうだよ。居なくなる四年前にこの村に来たから本名かどうかわからいけど…。
なんだ知り合いかい?」
「―いや。どうだろな……。」
目を背けた。
紫はそれを只見ていた。









夕方、悟浄の姿は無い。
「悟浄は?」
紫が部屋に入り聞くと「さぁ便所じゃないか」と三蔵。
「あれ?勇騎の奴…寝たのか?」
悟空が床で寝てる勇騎を見たが静かに寝息を立てて居る。
「あぁ、この頃食べてないから体力が持たないだとさ…。まぁ二週間も食べてなかったらこうなるか、消耗してるだけだからな。」
抱き上げて普通の場所に移動する。
「あ―八戒。いい加減に教えてよ。
前から悟浄が探してるジェンって何者なんだ?」
が、聞いたが八戒はベットから立上がり「僕もトイレ借りますか」と逃げようてしたが前の道を紫に塞がれる。
紫も気になるらしい。
「本人に直接聞けば…」
「絶対いや!…だけど、何か。
俺には何も秘密とかね―のに、アイツなあるのってズルイじゃん」
「悟空…まさかそれが理由か?」
紫があきれた顔をする。
八戒は諦めた様に語り出した。
「…ま悟浄にも口止めされてませんし…そにヒトは悟浄が八歳の時から行方不明のままの命の恩人…お兄さんだそうです。いわゆる…腹違いの」
「そうなんですか…。」
「「「勇騎、てめぇ、いつから起きてた?」」」
ハモる三人。


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あきゅろす。
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