君と見た世界は B ベットに転ぶ勇騎。 自分らしくないと舌打ちを一度して、目を閉じる。 「探し人見つからず。死んでいたら当たり前か…」 「紫、僕に対する嫌味ですか?」 青ざめて冷えきった身体を起こす。 「精神が不安定だから、竜に戻りかけて居る。体温低下もそのせいだ。」 パシッと蜜柑を投げ付ける。 それを勇騎は受け取り皮を剥いた。 「此所で戻るなよ。」 「戻る前に僕は姿を消します。はい、どうぞ…」 剥いた蜜柑の半分を紫の手におく、そこに少年が入ってきた。 それでも、勇騎はプイッと余所を向く。 理由は脂肪率が少ないだそうだ。 「配膳くらい綺麗なお姉ちゃんにやらせろよ…。」 悟浄が何で〜と言うと少年は悟浄を睨んだ。 「不浄な!此所は女人禁制ですよ!!」 「ほぅ…」 紫の顔に黒線と青筋がたつ。 勇騎は、あははは…と苦笑い。 女とみなされていない。 「―ですよね。三蔵様ッ」 何故俺にふるんだと少し焦る。 「三蔵様は尊き御方だと信仰されて居るからでしょう。」 勇騎はにこっと言うと「貴方は他の人と違い信仰者なのですね!」と手を握られた。 それを三蔵は何故か睨んで見た。 「それにしても冷たい手ですね…。」 「えぇ、極度の冷え性で…それに今日は少し体調がすぐれないです。」 美形な顔で笑むと真っ赤に少年は顔を染めた。 「な、何かご用があれは何でも言って下さい!あ、三蔵様も!」 勇騎と三蔵限定かよとあとの四人は怒った。 が、スタスタッと少年は出ていく。 「これが本当の知らぬが仏だな。」 銃を撃つ三蔵に人食い勇騎。 [*前へ][次へ#] [戻る] |