HEAD
7(R18)
 雄の匂いが鼻につき、生々しい。たった今まで繋がっていた体を並んで横たえ、乱れた息を吐く。静雄の腹に、胸に散った自分の放ったものの香りに辟易した。だが、気怠げに肘をつき上体を持ち上げた臨也に、額へ口付けられると全てがどうでもいいような錯覚さえした。
 碌でもない男だが、こんなにも好きだったのだ。それが悔しいが、嬉しい。
「いざや…」
 喉を通過した声は少し掠れていた。唇に落ちて来ようとした口付けを身を捻ってかわし、ベッドサイドに置かれたティッシュを引き寄せる。ねっとりと絡む白濁を乱暴に拭った。
「ねえ、シズちゃん」
 背後から響く甘い声を無視して丸めたティッシュをゴミ箱に投げる。それは縁に当たり床に転がった。
「君さあ、俺のことが好きだろ」
 確信を伴う声を拒むように上体を起こした。とろり、と内側からブツが溢れるのがわかり、ティッシュを箱ごと抱き寄せる。
「俺と付き合おうよ。大事にはしないけど」
 最低な口説き文句だった。


2019.4.9.永


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あきゅろす。
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