HEAD
5(R18)
 竿も玉も、それからその奥だって全て見えてしまっている気がして落ち着かない。そうして、誰に見られるはずもなかった後ろに湿りを帯びた臨也の綺麗な指が触れる。硬く閉じた表面に粘液をなすりつけるように撫でられた。
「初めてだよね」
 こんなこと、誰とでもできるわけがない。尻の穴まで見せてしまって、それでいて胸高鳴るなどどうかしている。恥ずかしいのに、手の中のいざやがしっかり芯を保っていて、静雄で彼が興奮してくれているのが嬉しい。
 臨也の言葉は質問ではなく、ただの確認であったらしい。静雄の答えを待たずに彼の指先が静雄の内部へ侵入した。
 学生の頃から抱いていた仄かな思いは、決して実を結ぶはずなどなく、彼との行為を想像することはあってもそれはどこかぼやけていた。こんなに生々しい感触など想定していなくて、しかしもし万一そうなったなら、こういうことになるのだろうというのは知っていた。静雄は爪一枚分程の侵入でもうこんなになることに驚き、そうして数度に分けて大きく肩で息をついた。
 別段甘ったるい関係ではなくとも、受け入れたいと思う気持ちがあった。静雄が酔って侵入しなければ決して始まるはずのなかった行為を、明日には幻のようになかったことにしなければならないとしても今欲しかった。
 慣れていない静雄なりの弛緩でも少しは効果があったのか、ゆっくりと臨也の指が奥へ入ってくる。根元まで入った、ということが彼の指輪がとんでもない場所に触れたことでわかった。あんな物が、静雄の後ろに触れている。それは絵面として理解してしまうとこの上ない衝撃だった。
 そんな静雄の動揺に構わず、ゆるゆる内壁をなぞられる。
 気持ちいいはずなどない。なのに、何故だか心地良くて、小さく声が零れた。


2019.3.13.永


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