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プロローグ
どうしても一週間。東京を離れなければならなくなった臨也は、実に面倒くさい仕事を波江に残していった。どうせなら波江にも休みをくれるか、はたまたいつもの職場で彼と他の顧客の連絡役くらいなら良かったのに。
本当に、面倒くさいばかりか芳しくない結果が見えている仕事。つまらないくせに、波江が誠二と過ごすべき貴重な時間を奪っていく。実に忌々しい。
それでも、波江は街中にある防犯カメラの映像を拝借したり、静雄の部屋に仕掛けた盗聴器と盗撮器を駆使したりして淡々と仕事をこなす。
唐突に折原臨也と会わなくなった平和島静雄の様子だなんて。彼は普段と全く変わらない。おそらく、臨也に今日会っていないうえ、連絡がつかなくなっていることに気付いてすらいない。だから、わざわざこんなことをしても無意味だと進言したのに。
2017.1.28.永
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