HEAD
エピローグ(R15)
「──俺がサンタさんなのに」
 散々貪り尽くしておきながら、隣でまだガタガタ喚く臨也が鬱陶しい。最終的に静雄のペースに乗せられたと主張するのは勝手だが、それを彼が楽しんでいなかったとは思えない。嬉々としていざやを深々と押し込み、静雄を抉り揺さぶって中に放ったくせに。だがそれを指摘したならますますうるさくなるだろうことは目に見えていた。
 それになにより、静雄はとても眠かった。
 静雄は傍らで憤懣やるかたない駄々っ子と化した臨也の首に片手を回し、自分の胸に力尽くで抱き寄せた。そうして、黒髪に鼻先を埋め、半ば以上睡魔に絡め取られた声で唸るように呟く。
「いいじゃねえか」
「なにが」
「手前は俺のサンタで、俺は手前のサンタなんだよ」
 回らぬ頭と口を無理やり動かし何とか言い切ると、欠伸と共に瞳を閉じる。まだ何事か喚く臨也をそのままに、疲労しきっていた静雄はすぐに心地いい眠りに落ちた。
 臨也と二人、くるまる布団は他に暖房器具などない静雄の部屋でも充分に温かかった。


2015.5.4.永


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