HEAD
6(R18)
 感情の制御の下手な彼は、快楽にも比較的従順だ。おそらく、理性があまり発達していないのだろうと臨也は小馬鹿にしている。しかし、そういうところも嫌いではない。
 そんな臨也の思いを知ってか知らずか静雄は今日は簡単に屈するつもりはないらしい。求められるままにねだる言葉を漏らせばいいのに唇をきつく噛み締め、弱いところを避ける臨也を睨み頬のみならず全身をぽおっと桜色に紅潮させ、陸に打ち上げられた魚のように痙攣する。
 自分の手ひとつでこんなにも乱れてくれるのが愛おしい。
「っ…?」
 それに油断してしまったのがいけなかった。
 徐にいざやを鷲掴み、彼は力の入らぬらしい上体をゆっくりと起こした。
「シズちゃん…?」
「その気に、させてやる」
「えっ…?」
 いざやへの直接の接触を阻むのはもはや下着のみだ、それを力尽くで引き剥がされた。
 比喩でなく絹を裂くような音が響く。
 高かったのに、なんて感傷に浸る余裕も与えずにこの化物は、薄く開いた唇を躊躇わずにいざやへ寄せた。
 黒い睫を伏せ、静雄がいざやを包み込んだ。
 しっとりと濡れてあつい舌がするりと絡みついてくる。何をされずともそそり立っていたそこから、堪らずとくとく先走りが零れ、小さく鼻で笑う気配がした。
 臨也は眉根を寄せ、静雄の腰に手を這わせる。
 一際熱い箇所を探り当てると、湿らぬ指を無理やりに爪半ばまで捻じ込んだ。
 静雄の肩がぴくりと震え、金色の髪が臨也の下生えに押し付けられた。頭の中が煮えたぎりそうに熱く柔らかなそこへじりじりと指を食い込ませる。


2015.3.20.永


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