HEAD
4(R18)
 決して強引ではないけれど、容赦のないことばに視界が滲む。静雄の口下手を知っていて、言わせたがるタチの悪さが何故か怒りにつながらない。なんとか形にしようと口を開いても、既に熱に浮かされた頭は纏まらず、ただ生唾を飲み込み唇を噛む。無様に息ばかり上がってどうしようもない。
 臨也に向けた瞳は、ニヤニヤと楽しげな忌々しい笑みにぶつかって実に腹立たしい。
「はやく、いかせろっつってんだよ…!」
「どうやって?」
 嫌いだ、手前なんて嫌いだと幾度となくぶつけた言葉が脳内で渦を巻く。
 静雄は数度口を開閉し、大きく舌打ちすると臨也から顔を背けしずおを握る。
 が、しごきあげる手は、あえなく包むように捕らえられた。
「邪魔すんな、いざやっ…」


2015.3.9.永


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あきゅろす。
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