HEAD
3(R18)
 ひくっ、と大きく震えた静雄は、一拍おいてみるみるうちに真っ赤になった。数年前なら殴られていただろう。だが臨也は笑みを深め彼の耳元に唇を寄せる。
 薄い耳朶を唇に挟み、パサつく髪へ鼻先を擦り寄せた。そうして、普段より低い声をそっと吹き込んでやる。
「ね、いいだろう?」
 いつもひんやりした耳たぶが唇の狭間でぽっと熱を持った。膝が臨也の腰骨をきゅっと挟む。
 彼の息が揺らいだ。
「い、ざや…」
 たっぷり間をおいて届いた声は、隠しきれぬ高揚に濡れていた。
「うん」
「さっさと、しろ…っ…」
「どう、してほしいの?」
 すっかり乱れた息が臨也の髪をなぶる。
 ぎくしゃくと臨也の手の上からしずおが握り込まれた。
 臨也は彼の手を緩く払い、濡れたそこをぴんとつまはじいた。
「わからないなあ」
「っ…つ…」
 どこもかしこも頑丈な彼が、こんなところだけは敏感なのも小気味いい。泣きそうな瞳に笑みを向け、幼子に対するように語りかけた。
「ここを、どうしてほしいの」


2015.3.6.永


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あきゅろす。
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