HEAD
4(R15)
 不承不承ながらも息子達の部屋として事務所兼自宅の一室を明け渡した臨也は、静雄との約束も忘れたように調べることがあるとパソコンと睨めっこを始めた。致し方なく孤閨に身を横たえるや否や、控え目なノックの音がした。
「あ?」
「一緒に寝ていい…?」
 ドア一枚隔てて届いたのは臨也の声で、不覚にも鼓動が跳ねる。
「っあ…ああ、いいぞ」
 もう調べ物は終わったのかとか、それなら久々の営みの方も期待していいのだろうかとか、一挙に押し寄せたピンク色の妄想は、嬉しそうにドアを開けて入って来たパジャマ姿のサイケとデリックを見た瞬間霧散した。羞恥やらなにやらで硬直する静雄の脇にいそいそと潜り込んで来た二人は、両側から静雄の手を握り二人仲良く目を閉じた。
「父さん、おやすみ」
「──おう…」
 子供体温、というやつだろうか。子供なんて年齢には見えない二人だけれど、その掌の温もりは心地いい。
 静雄は二人に気付かれぬようそっと溜息を漏らすと歪な川の字の中央で目を閉じた。
 明け方になってようやく戻る臨也が肩を落とすことになるなど知る由もなく、三人は快い眠りに引きずり込まれていった。


2014.2.7.永


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