OTHERS
6(R18)
 どんなことがあっても、表面上は心乱さず飄々と受け流す。鍛え抜かれた精神は、少々任務から外れる時間を持ってみても揺らがない。
 職業病とでもいうのだろうか。
 だが、いくら表象せずにいられたとて、好いた者と触れ合えば鼓動は高鳴るし、汗腺の人より使えない昆奈門の体温も上がる。体温が上がれば思考がぼやけるのは必然だ。
 理性のたがが緩み、触れた手を握り返した。ひく、と体内の質量が確かに増し、息を震わせる。
 隠せない感情をさらけ出しあう。隠しておきたいものが隠しきれなくなる時間は、確かに愉悦の一種であるのだろう。


2017.10.4.永


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