GORILLA
7(R18)
「ん…っ…」
 優しげな容貌を女性の装いで固めたくせに、その欲は熱く硬く反り返り遠慮会釈もなく深々と近藤を穿った。自分よりずっと小柄な彼に縋ろうにも、如何にも頼りなく柔らかな布地が邪魔をする。
 畳に投げ出した手をぎゅうと握り、喉を反らして浅く乱れる息を断続的に零した。
 ざり、ざりと彼と自分の毛が摩れ合う。侵入に伴い体内へ諸共に受け入れてしまった毛に引かれ、辺りがちりりと痛む。それに余計に煽られて、こんどうが雫をぽたぽた零した。
「──きょくちょー」
 熱に上擦り、どこか甘えた音を孕んだ声に、近藤は濡れて歪む視界に彼を捉えた。へらりと笑うのが堪らなくて、彼の襟元を鷲掴む。そのまま勢いに任せ着物を腕から半ば引き抜いた。
 きょとんと首を傾げるものの、彼は不快を示さない。生っ白いながらに薄くともしっかりと筋肉のついた男が、手首に華やかな着物を纏わらせている。
「──ザキ…」
「なんですか?」
 頬を薄く染め、息を乱しているくせにあっけらかんとした応えが返り、情況を見失いそうだ。
「お前がいい、から…」
「はァ」
「だから、脱いでくれ」
 どこか飄々とした彼は、はっきり命令しないと今は従いなどしないのだろう。山崎にしてみれば、彼が今女の装いをしていることそれ自体が近藤へのささやかな意地悪のつもりなのだろうから。
 だから、組み敷かれてさまにならないながらも昼間の役割を笠に着て彼の着物をはがしにかかる。
 その手をあえなく掴まれた。色白く小さな手が近藤の浅黒くごつごつしたそれに絡み、いやになるほど紅い唇に触れさせた。


2014.12.6.永


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あきゅろす。
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