SOUL
2(R18)
 掌を濡らす熱いものをゆるゆるとたかすぎに塗り広げてやった。二の腕がぎゅっと掴まれ、胸に硬いものが触れる。
「──い、から…早く済ませようぜェ」
 鍛え上げた胸筋に浅い型を残し、顔を上げた高杉はにやりと口角を持ち上げる。
 濡れた紅に大きく息が乱れた。
 応えも程々に先走りを纏った指先に股間を潜らせ後腔へ滑らせる。手首に鎮座した双玉が近藤の鼓動に合わせ小さく震えた。
「ん…は──あ…」
 近藤に掴まる指先が白く色を失う。近藤の手を跨いだ内腿が小さく痙攣し、ぎゅっと腕を挟み込んだ。
 体を下から支えてやりながら、中指を深々と突き立て、内壁をぐるりとなぞる。言動がこなれているわりに後腔はいつも狭くて、なかなか解れない。もしかしたら高杉には、近藤以外の相手はいないのではないか、なんて自惚れてしまいそうだ。
 まだまだかぶき町は活動時間で、繁華街から敢えて物騒な路地に来たい輩は少ないだろう。だがそれも絶対ではない。だからといって高杉に余計な負担を強いるのも本意ではなくて、欲と焦燥を抑えゆるゆると指を抜き差しする。いいところを避けて内部を二本の指で寛げた。
「──はやく、しろって…」
 不意に眉根を寄せた彼に睨まれ、背がぞくぞくした。
 潤んだ瞳にネオンの光がちらつき、頬を紅潮させ断続的に熱い息を零す高杉が、ぎゅっとこんどうを鷲掴んだ。
 背を路地裏の塀に凭せかけ、小さく震える足の幅を広げてみせる。唇が歪んだ弧を描いた。
「なァ…近藤」
「っ──」
 反射的に頷き、彼の体内から指を引き抜く。
 左足の膝裏を掬い上げ、袴を緩めるのももどかしくこんどうを秘所へあてがった。ゆっくりと深い息をつく彼が、誘うように唇を開く。
 そこへ噛み付くように口づけると同時に、最奥へ侵入した。ぎゅっと強く着物の袖を掴まれた。生地越しに浅く爪が食い込む。微かな痛みが更に高揚を煽り、高杉の歯を舐めた。
 眉根を寄せた高杉の濡れた瞳が近藤を睨み、ぎり、と舌に歯を立てられる、と同時にこんどうも強く締め上げられて、小さく腰が震えた。乱れた息を零し、そっと唇を離す。微かに血の味がした。
「痛い、って…」
「好きだろォ?」
 どく、と先走りが溢れ彼の内にひろがった。毒々しい舌が高杉の唇をなぞり、不本意ながらぎくしゃくと顎を引く。鉄がさほど幅を利かせないところをみると、傷は浅く加減がされているようだ。
「──ムラムラする、けどさァ」
「は…なら、狗らしくがっつきなァ」
 少し掠れた声の挑発に、高杉の腰をかきいだき強く穿つ。
 晒された喉の白さに更に息を荒らげ、乾いた口唇を高杉の側頭部に擦り付けた。
「ん…ん──」
 腹にたかすぎの透明な蜜が糸を引く。これが終われば、また別れなければならない。


2017.9.4.永


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