SILVER
序
小さな先輩はクソ生意気で、別に嫌いではないが、いつか白黒付けた方が互いにとって楽なのではないかと思っていた。
だから、出張稽古に出向いた村で、剣術もそこそこに力仕事を頼まれた近藤がお人好しにも倒木除去作業なんかに参加して、すっかり手持ち無沙汰になったとき。
「あそこに森が見えるだろィ」
「あァ」
「ちィと一勝負しねーかィ」
声変わりもまだ訪れる気配のない子供の物騒な誘いに頷いてしまったのだ。
2017.5.5.永
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