SILVER
5(R18)
 すっかり年上の余裕を失った男が、不器用に沖田の口内を探る。そこへ沖田からも舌を差し伸べてやると縋るように絡み付いてきた。
 いつもはキツい眼光を持つ瞳はぎゅっと閉ざされ、その眦に輝く透明な雫が、開放した障子から差し込む陽光を乱反射させる。弾力のある紅を甘く噛んでやると、ひくりと土方の背が震えた。
 解放してやらぬまま、胸の尖りに爪を立て深くへ押し込んだ自身で緩く円を描くように腰を使った。
 どろり、と互いの腹の間に癖のある香りをもった粘液が飛び散った。
「ん、っ…」
 頬を擽る彼の息が、あつい。その温度に誘われ鼻を鳴らす。
 飲み干す努力もせず自分の唾液を彼に流し込む。
 苦しげに眉をひそめた土方が、微かな音と共に喉仏を上下させた、瞬間その舌を痛いくらいに吸い上げてやる。
 おきたを締め上げられ、濡れた音を土方の口腔へ零した。大きな両手に側頭部を掻き抱かれる。
「もう、降参か…?」
 挑発的に笑う彼に眉根を寄せる。
「は、何言ってやがんでィ」
 振り切るように腰を引く。口端を吊り上げて土方を見下ろした。
「俺ァまだ、イってやせんぜィ…」
「あ…っ」
 あっさりと身を震わせ、土方は涙の膜の張った瞳をうっとりと細める。
 深くへ突き入れると、眦に溜まった雫が溢れ落ちた。それに溜飲を下げる余裕とてなく、乱暴に熱く狭いそこを抉る。
 瞳孔がぼんやり開いた薄青いそこに映る沖田は、常々小馬鹿にしている土方にそれこそバカのように夢中になった獣みたいだった。


2014.7.8.永


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