SILVER
衝動
 出張で、誰を斬ったでもなく平穏な職務をこなし帰還した土方は、出迎えた沖田をいやにぎらついた瞳で睨みつけた。はて、彼のいない間自分は何か問題を起こしただろうかと思い返しても、心当たりはない。サボりは常以上ではあったが、それだけで土方がいつも以上にキレるはずはない。
 土方は何かを振り切る如く大袈裟なまでに沖田から目を逸らし、ずかずかと足音荒く脇を通過した。
 それを表情にこそ表さないが半ば呆然と見送り、沖田は自分の顎に片手をあてがう。
 ややあって、にんまりと口角を吊り上げた。


2014.6.17.永


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