SILVER
11(R18)
 沖田の急所を遠慮もなく狙った蹴りを太腿で逸らす、と同時にタマに力を加える。びくりと固まった彼の胎内へ指を一本、根元まで押し込んだ。
「──のやろォ…」
 怒りよりも屈辱に歪んだ瞳が沖田を見据えた。構わず熱い内壁をなぞる。つよい眼差しがますます物騒に光った。それでいて抵抗する余力はないらしく、土方は苦し気に胸板を上下させる。
 湿り気の少ない内側は、乾いた指を受け付けない。きゅうきゅうに纏わりつく肉襞をかきまわすと、眉間の皺が深くなる。
「痛ェですかィ」
「──すげェ痛ぇ…」
「タマァ握られるよりゃマシでしょう?」
 口端を吊り上げる。
 土方が唇を噛んだ。
 抜き差しする度、そこが逆らうように引き攣った。
 未だつよく輝く土方の瞳を見下ろし、太腿にそうごをすりつける。小さな舌打ちがどちらからともなく漏れた。
 視線が合う。
 憮然としたまま土方が、沖田の空いた手を掴んで彼の口許へ引き寄せた。
「土方さん…?」
 薄桃色の唇が不敵に歪み、軽く開く。ぞわりと熱い舌が絡んだ。
 ぎゅっと土方の瞼が閉ざされる。目元を仄紅く染め、指を吸い上げられた。思わず退こうとした手首にもう片方の手も添えられ、より深く押し込まれる。
 両手で沖田の手を抱え、赤子が乳をねだるように指に吸い付く姿は倒錯的だ。埋め込んだままの右手中指に、後腔がひくひく絡んだ。
 ごくりと唾を飲むと、にやりと笑われた。意趣返しに上顎を内側から擽る。土方の眉がきゅっと歪んだ。
 乱暴に手を押しやられる。透明な光が糸を引いた。
 いつの間にか勃ち上がったひじかたの鈴口をぬるりとなぞり、唾液と先走りでどろどろの指を先に侵入した中指に添わせ捻じ込んだ。


2012.7.7.永


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