SILVER
6(R15、定土要素有)
「ありゃァどう見てもやってんだろィ!」
言葉と同時に神楽へ跳び掛かり、彼女が避けた隙に定春へ刃を振り下ろす。
流石というかひらりと躱した犬の股間には、隆々と勃ちあがった雄の象徴…
「とっとと立ちなせェ」
奥歯を噛み締め、突っ込んでくる少女を受け流す。
土方の衣服はさすがに剥がれてはいない。しかしその腰に何ともしれない粘液が付着していた。
ぴしり、と頬が引き攣るのがわかる。
土方は、何事もなかったように立ち上がった。
神楽と視線が合った。それはすうっとその愛犬の股間に流れ──沈黙が落ちる。
「やってたんだよなァ、やっぱり」
「どうしてアル!? あんなマヨラの何処がいいネ!? 可愛い女のコ、他にいくらでもいるあるヨ!!」
まだ足りないと襲いかかる犬を軽やかに往なす土方の腰には、白い粘液──少しも格好がついていない。
「行くぞ、総悟」
何でもない風を装いつつも、犬の精液で生臭い。獣の子種の匂いをぷんぷんさせて煙草を咥える様はいっそ哀れだ。
愛犬を片手で抑える神楽と、沖田の白けた視線にも涼しい顔で、土方は煙草に火を点けた。
そんな彼に敢えて今、ひとつだけ言ってやる。
「ここァ路上喫煙禁止区域ですぜィ」
ぴしり、と土方の額に青筋が浮かんだ。
2012.6.11.永
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