梅雨と少年 梅雨と少年2 「んっ……はぁ……」 くらくらする頭を壁に凭れかけ、和也は息を深い吐いた。 あの後、青年に手を引かれ神音小学校のすぐ傍にある東公園のトイレへとやってきた。 朝にも関わらず薄暗いトイレの明かりを青年はカチリと点け、1番奥の個室の扉を開いた。 「おいで、和也君」 優しく言われ、ぼんやりとした頭で足を進める。 僕は、何をしているんだろう? わかるようで解らない。 ただ、肌がチリチリするような感覚だけは先程から治まらなかった。 個室へ入ると、青年も一緒に入ってきた。 便座の蓋を下げ和也をそこへ座らせると、後ろ手でガチンと掛け金を下ろす。 「和也君、お兄さんはね」 すっと伸ばされた青年の手が、和也の頬を優しく撫でる。 「君みたいな子が」 言いながらも青年の手は頬から首へ、胸へとゆっくりゆっくり下がっていく。 「大好きなんだ」 ポロシャツの裾を捲くられ、そこから青年のひやりとした手が侵入してくる。 梅雨のじめじめとした湿気と、子供特有の潤いでぺたりと掌が張り付く。 その感触に、思わず和也は声をあげた。 「ひゃう……お、兄さ……?」 「うん?なんだい、ほら、万歳だよ」 肩までたくしあげられたシャツを、言われるがままに万歳のポーズをして脱がされる。外気に晒されたその肌は、日に焼けないためか白い。 その中でぷっくりと自己を主張している小さな粒に青年が手を這わせると、和也は何とも言えぬ気持ちになった。 和也自身も、なんとなく気付いていた。 これは、大人がする行為だと。 しかし、青年が与えるいやらしい刺激を和也は振りほどくこと出来なかった。 初めは優しく撫でるように。 だんだんと人差し指と親指で摘むように、そして中指も合わせて擦るように。 乳首にどんどんと強くなる刺激に、和也は思わず青年を見た。 「お兄さん、なんか、へん……やぁっ」 「そうかい?すごく……かわいいよ」 「かわ、いい……?俺が、」 ぐりぐりと押し潰すように乳首を責められ、全身に鳥肌が立つのを和也は感じた。 「和也君、食べてもいいかな」 「へっ?なに……あんっ……」 返事をする前に、和也の弄られて赤くなった乳首を青年はべろりと舐めた。 「おれ、女の子じゃないから……お、おっぱいは出ないよ?」 思わずそう言うと、青年は満足そうに微笑んだ。 「でも、和也君のココ、すごくおいしいよ。やわらかくて、あまくて。ほら」 そう言って青年は右の乳首をぐにぐにと押し潰しながら、左の乳首を口に含んで舌で転がした。 和也にとって初めての経験である胸への刺激は、あまににも強すぎた。 「和也君、こっちを見て、」 甘い快楽に身を委ねていた和也は、はっとして目の前の青年を見る。 軽くくちづけを落とされ、そのキスはどんどんと深くなっていく。舌を挿入され思わずビクリとすると、腰を強く掴まれ胸を揉まれた。 「んぁっ……はぁん、ぁ……」 息継ぎをしようと口を大きく開けたところが舌をさらにねじ込まれて、舌同士が深く絡み合った。和也の小さな口の中で、生き物のような舌が暴れまわっている。 どちらのものかもわからぬ唾液が和也の口の端から、つぅ、と伝い落ちた。 くらくらする程のくちづけをしている間も、青年の手は少年の体を愛撫し続ける。 その柔らかな肌を余すところなく揉みしだき、尻を撫でる。 青年の手にすっぽりと収まってしまう小さなお尻を割れ目にそってこすっていると、和也の腰がもぞもぞと動き始めた。 「和也君、どうしたの?」 「え……あ、な、なんか……」 「ん?なんだかキツそうだね……脱いじゃおうか、」 そう言うが早いか、青年は和也のズボンのチャックをジリジリと下げた。 「だっだめ!やぁあんっ」 そのまま半ズボンを膝の途中まで下ろすと、パンツに包まれたものが小さく膨らんでいた。 「和也君、パンツの中に何を入れてるの?お兄さんがとってあげるよ」 ブリーフの中へ、青年の手がするりと入っていく。 「あれ、これはなんだろう」 ふにふにと勃ちあがりかけているちんこを揉まれ、和也は身を震わせた。 「和也君、何か固いものがあるけどこれはなんだろうね、」 あくまでもパンツの中で、青年は執拗に触り続ける。 他人に勃起中のちんこを触れられる経験の無い和也は、そのあまりの気持ち良さに早くも完勃ちしてしまった。 「そ……それ、は、」 「それは?」 「んっふぅ、はぁんぼ、ぼくのおちんち……んっ」 「あぁ、なるほどね」 青年は、パンツを一気に尻の下まで下げる。すると、勢いよくちんこがぷるんっと飛び出してきた。 勃ちあがっている状態のものを人に見せるなんて、考えもしなかった和也は思わず涙ぐんだ。 精通だって、そんなに古い話ではないのだ。 「あ……みな、い、でぇ」 いやいやをするように首を振る和也に、青年はあやすように口づける。 「大丈夫だよ、和也君」 「んっ……ふあ……」 和也のちんこを掌で優しく扱きながら、もう片方の手はその小さな尻に手を這わせる。 割れ目にそって何度も指を行き来していると、和也が体を固くした。 ぎゅっ、と青年の服にしがみついたと思ったら、 「あぁぁぁっあん!」 勢いよく射精をした。 どぴゅどぴゅと飛び散った精液を指で掬いとると、和也の尻の蕾へと塗り込める。 吐き出したばかりで呼吸も整わぬ和也は、その慣れない感覚に息をつめた。 「お、お兄さん、なにし……」 「秋人」 「あきひと?んっ」 青年がまた萎えかけていた和也のちんこを握りこんだ。 「お兄さんの名前。秋人、呼んでみて」 「あっあきひと、さんっやぁん、はぁん」 名前を呼ばれながら秋人は、和也への愛撫を止めず更に蕾の縁へと指を這わせた。 ゆっくりと指をいれられた穴は侵入を拒むかのようにきゅう、と締め付けてくる。 精液をたくさん掬い、それを滑りにして二本目も差し込む。 その違和感になれないのか、先程から和也は喃語のような言葉しか発さない。 と、秋人の指が一点を掠めた途端、和也の声に甘えが含まれた。 「ここか……」 もう一度そこを探ると、こり、としたものが確かにあった。 「あっあっ!やっ、なに!あんっはぁん!!」 秋人に縋り付くように、その柔らかな体を和也は押し付けてくる。 ようやく見つけた前立腺を重点的に指をばらばらに動かすと、自ら腰を浮かせてきた。 何度も出入りをさせ念入りに解すと、秋人は指を抜いた。 「やめっ、な、で!お願……」 そのあまりの寂しさに、和也は思わず泣き付いた。 それが秋人を煽り立てるともしらないで。 「和也君、欲しい?」 「欲し、い……?」 「そう、埋めて欲しい?ここ」 そう言って、ひくひくと収縮を続ける尻のすぼみを指で撫でると、大きく反応した。 「うん、うんっう、めて!おねが、いあ、あきひとさぁ……っん!」 その言葉を聞くが早いか秋人は自分のペニスを取り出した。 さんざん和也の恥態を見せられ高ぶっていたため、十分に勃起している。 ゆっくりと和也を抱え上げると、代わりに自分が便座に座り、和也を膝の上に乗せる。 向かいあったまま、和也の小さな唇に舌を押し込むと同時に、アナルへとペニスをねじ込む。 指とは明らかに質量の違うものが、尻の割れ目を押し広げていく。 「んっんぅぅんー!」 苦しそうに眉を顰め、その汗ばんだ体を秋人へと委ねる。 ズブズブと音が聞こえそうな程の挿入に、秋人の興奮はより一層掻き立てられた。 「ん、お、おっき、く」 大きくなったと言いたいのだろうが、そんな事を言われると逆にもっと大きくなる」 自分を必死に抑え、ゆっくりと和也の体を沈みこませる。 ようやく全てを収めきった時、その小さな体をぐったりと預けていた。 「動くぞ」 そろりと腰を動かすと、和也がびくんと震えた。 初めはゆるゆると、しかしだんだんと強弱をつけてみると、あんあんと喘ぎ始めた。 さあさあと降りしきる雨の音に紛れて、狭い個室の中を水音とパンパンという肌と肌がぶつかりあう音が響く。 「ああん、あっきひ、とさ、んっ」 はぁはぁと熱っぽい吐息と共に秋人の名を呼び続ける。 額に口づけを落としラストスパートをかけると、和也が一際高い声をあげてイッた。 きゅう、と強くアナルがしまり、一歩遅れて秋人も和也の中で果てた。 一度だけの関係で終わるには惜しいなぁ。 本当はこれから働くことになる神音小学校の子には手を出さないでおこう、そう思っていたのだが。 学校に到着する前に可愛らしい子を見つけてしまったのだからまぁ仕方がない。 この子がいれば、学校保険医の仕事もきっと楽しいだろう。 ぐっすりと眠る和也の体を清めてやりながら秋人は一人ほくそ笑んだ。 神崎秋人が正式に神音小学校の学校保険医として働き始めるのは、この二日後である。 END [*前へ] [戻る] |