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・Episode - 2
21:名無しさん
07/16(木) 20:49 pUsf5U2VO


・Episode - 2



「ありがとうございましたー」


スーパーで買い物を終え、袋を手に持ちながら店を出てきたモララー。
自宅に帰るため来た道を歩き出す。
すると、バイクの排気音を騒々しく鳴らしながら一人の男が近付いてくる。


( ^ω^)「モララー!」

( ・∀・)「ん? なんだお前か、早かったな」

( ^ω^)「今日は仕事早く終わったんだお。それより、帰る途中なら乗っていくかお?」


モララーと幼なじみのブーンは、今日からモララーの下で世話になる為モララー家に向かっている途中だった。


( ・∀・)「あぁ、頼むよ。かわりに今日からたくさん扱き使ってやる」

(;^ω^)「いや、全然かわりになってないお」


荷物をカゴに入れ、モララーは後ろの席に座りブーンが走り出そうとしたその時。


「痛っ!どこ見てんだてめぇ!」

从;゚∀从「あっ、ごめん!」


何やら少女とチャラチャラした青年がぶつかったようだ。否、青年がわざとらしくぶつかった。


「ごめんじゃねーよ、ケガしちまったじゃねぇか!」

从 ゚∀从「ごめん、悪かったよ…」

「ごめんで済むと思ってんのか?ちょっと来いよ」

从;゚∀从「はっ?いや、ちょっと待てよ…」

「あ?ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇよ!」


男は強引に少女の腕を掴もうと手を伸ばす―――が、その手は別の人物によって遮られた。
男は己の手首を掴むその手の持ち主を見る。


「んだてめぇ!」

( ・∀・)「女に手を出すとは、お前最低だな」

「離せよ…っ、おらぁ!」


男はモララーの手を振り切ると、モララーの顔面目掛けて殴りかかる。
モララーはこれを安易くかわし、腹部に膝蹴りを食らわす。


「ぐへぇっ!」


男は苦痛の悲鳴を上げ腹を抑えながらその場に崩れる。


( ・∀・)「どうした、早く殴りかかってこい」


痛みに苦しむ男を見下ろしながら挑発するような言葉を投げかける。


「くそっ……!」


男はなんとか立ち上がったが殴りかかることはなく、ヨロヨロと逃げ去っていく。


( ^ω^)「ナイスモララー!」


バイクに跨がったまま親指を突き立てるブーン。
モララーは逃げ行く男の背を鼻で笑いながら見届けると、立ち尽くす少女へと近付く。

22:名無しさん
07/18(土) 01:55 aVldJZGsO



( ・∀・)「ケガはないか?」

从 ゚∀从「あ、あぁ…ありがとう」

( ・∀・)「礼には及ばん。じゃあな、気をつけろよ」


少女に背を向けブーンの元へと戻ろうとする。
すると少女は咄嗟にモララーを呼び止めた。


从 ゚∀从「え?ちょっと待ってくれ!」

( ・∀・)「なんだ?」

从 ゚∀从「名前、聞いていいか…?」

( ・∀・)「……」

从 ゚∀从「いや、ダメならいいんだ。ごめn( ・∀・)「天の道を行く男…モララーだ。お前は?」

从;゚∀从「んぇ?俺、ハインリッヒ…」

( ・∀・)「覚えておこう」


そう言うと、そそくさと立ち去りブーンのバイクに乗り込むモララー。ブーンはバイクを走らせる。
そんなモララーを目で追っていたハインリッヒは、


从;゚∀从(なんだあいつ…変な奴だな)


誰もが思うことを頭の中で感じていた。

23:名無しさん
07/18(土) 05:13 aVldJZGsO



ブーンが運転するバイクは数分程でモララー家に着いた。
ブーンはメットを外し、ふぅ、と一息つく。
モララーはバイクから降りるとスーパーで買った品物を持たず家へと向かってしまう。


( ^ω^)「モララー、荷物…」

( ・∀・)「お前が持て、卵入ってるから気をつけろよ」

(;^ω^)「えー…このくらい自分でやってほしいお」


渋々モララーの言いなりになり、自分の荷物とモララーの買った品物を抱えながら後を追った。

家にあがると、ブーンは品物をゆっくりと台所に置き、自分の荷物を客間へと運び始め、モララーは品物を冷蔵庫にしまい始めた。
運び終えたブーンはリビングの椅子に座り、以前より若干雰囲気の変わった家の中を見回す。


( ^ω^)「モララーの家に来るの久しぶりだお」

( ・∀・)「だな。3年振りくらいか?」

( ^ω^)「多分。ツンちゃんは元気かお?」

( ・∀・)「あぁ、元気だが……お前手を出したりするなよ」

( ^ω^)「分かってるって、そんなの自殺行為だお」


モララーが品物を収納し終えたと同時に、ブーンが椅子から立ち上がった。


( ^ω^)「ちょっと部屋に行って片してくるお」


そう言うと階段を上がり客間へと向かっていった。
モララーは家の庭へと出て、洗濯物の取り込みをしようとした。そのときだった。


庭の正面にある道路をひとつのワゴン車が通り過ぎる。
すると、再びモララーのバッグが青白い光を放ち出した。


( ・∀・)「さっきの車、あいつが乗っているのか…」


あの車が行く先に、何かあるのかもしれない。
モララーはバッグを持ち急いで家を出て、ブーンのバイクに跨がりメットを被る。


( ・∀・)「おい、ちょっと借りるぞ!」


声を張り上げながら客間にいるブーンに伝える。
その声に反応したブーンは窓から顔を覗かせ、自分のバイクに乗っているモララーを発見すると、


( ^ω^)「ちょ、人のバイク勝手に乗るなお!」


ブーンの声は届かずモララーはエンジンを入れワゴンを追い走り去ってしまった。



ワゴンを追いかけて数分後、ひとつの工事現場へとたどり着く。モララーは陰に隠れ様子を伺っていた。
そこには、まるで軍隊のような武装集団が揃っており何かを警戒しているようだった。


( ・∀・)(なんだ、あいつら…見たこともない)

24:名無しさん
07/18(土) 21:55 aVldJZGsO



その武装集団は―――そう、ゼクトルーパーだ。
この工事現場にてワームの生態反応があり、本部から出動するよう命ぜられたのだ。

ワゴン車内では、この工事現場に潜んでいるであろうワームを今度こそ殲滅するためにシャキンがゼクトルーパー達を工事現場の建物へと裏から潜入させる。
工事現場となる建物は2階建てとなっており、各隊1階2階へ展開させた。
――今回からライダーが加わる、その心強さが皆を勇気づけていた。


(`・ω・´)「以前逃したワームがいるはずだ。頼んだぞ、ギコ」

(,,゚Д゚)「はい!」

(*゚ー゚)「気をつけてね、ギコくん」

(,,゚Д゚)「任せてください!」

上司からの言葉を貰い士気を上がらせる。
ギコがバッグからベルトを取り出そうとしたとき――、幾つもの銃撃音が鳴り出した。ワームを発見したのだろう。
ギコはベルトを取り出し急いでワゴンから出る。すると目の前に見える非常階段からゼクトルーパーが上の階にいるワームに攻撃していた。


(,,゚Д゚)「今行くぞ……!」


そう呟くと腰にベルトを装着させ、同じく建物へと向かった。


その様子を陰から伺っていたモララー。


( ・∀・)「……さて」


モララーはバイクに跨がると、どこかに向かい走り去ってしまった。

25:名無しさん
07/18(土) 22:32 aVldJZGsO



「脱皮するぞ!」


非常階段でワームを攻撃しているゼクトルーパーの一人が叫ぶ。
脱皮前に倒そうと絶え間なく集中攻撃を与えるが、一足遅かった。
ワームは脱皮を終え、上の階から飛び降りてくると一人ずつ殴り倒していく。


「ぐあっ!」

「うわあぁっ!」


断末魔をあげながらひとりひとりワームにより倒されていく。
この有様では以前と同じことを繰り返すだけだった。


「グルオオオオォォ!」


ワームが雄叫びをあげる。
そこに、非常階段を駆け上がって来る足音が響いてきた。


(,,゚Д゚)「………」


ワームに倒され虫のように辺りに散らばるゼクトルーパー。
それをギコは苦痛の眼差しで見渡し、目の前にいるワームを睨みつけた。


(,,゚Д゚)「ワーム………俺はお前らを許さない、必ず全てのワームを倒す!」


すると、天から赤いカブトムシのような機械がギコを目掛け飛んでくる。
ギコは天に向かい右手を挙げ、そのカブトムシの到来を待つ。

(,,゚Д゚)「来い、カブトゼクター!」


今、ギコの心は熱い闘志で燃えている。
ギコの右手とカブトゼクターの距離が徐々に縮まり、もうすぐギコの手におさまろうとした――が、


(;,゚Д゚)「えっ……!」


カブトゼクターは進行方向を変え、ギコの手から遠ざかっていく。
そして、カブトゼクターは………、




( ・∀・)「……ようやく、この時が来た」


モララーの右手の中におさまっていた。


(;,゚Д゚)「あっ、お前!」


あのときの変な奴。と、ギコはモララーのことをはっきりと覚えている。
しかし、モララーはギコのことなど見向きもしない。


( ・∀・)「俺は、この時を待っていた……」




( ・∀・)「行くぞ!」

(;,゚Д゚)「やめろっ!それは俺の―――」

26:名無しさん
07/18(土) 22:44 aVldJZGsO





( ・∀・)「…変身!」




《HENSHIN》




<=( | )>「………」

27:名無しさん
07/18(土) 23:45 aVldJZGsO



「変身」と声を掛けると、ベルトのバックル部分にカブトゼクターを装填させた。
すると、カブトゼクターから電子音声が発され、ゼクターから発生されるプリズムのような光がモララーの身体を徐々に包み込み、モララーを「仮面ライダーカブト」へと変身させた。


(,,゚Д゚)「あれが、ライダー……」


ライダーへと変身を遂げたモララーの姿を見て茫然と立ち尽くすギコ。


<=( | )>「はっ!」

「グファッ!」

カブトはワームの下へと飛び降りると胴体に重いパンチを食らわせる。
その攻撃に怯んだワームに容赦なくパンチの連打撃を与え続ける。


「グオオォァ!」

<=( | )>「ふっ、…はぁっ!」

反撃をしようとワームはカブトに向かい腕に生えている鎌状のを刃を振り下ろすも、カブトはこれを素早く回避。
腹部に再びパンチを食らわせた。


「グウゥ……グアアアァァ!」


ワームが雄叫びをあげたその瞬間、ワームは消えてしまった。

(,,゚Д゚)「クロックアップだ…!」


ワームはクロックアップしたのだ。
ライダーシステムは同様にクロックアップができる…が、今の状態、マスクドフォームではクロックアップはできない。


カブトは、カブトゼクターのホーン(角)を反対側に軽く引いた。
すると、身に纏っていた鎧が一部一部外れていく。そして――、


<=( | )>「キャストオフ!」


そう言うと、ホーンを完全に反対側へと引く。
途端に、ゼクターから発される《CAST OFF》という電子音声と共に外れた鎧が勢いよく吹き飛びワームを攻撃する。
そして、ライダーフォームへと変化を遂げた。


《CHANGE BEETLE》

(―ЮYO)「……」


(―ЮYO)「クロックアップ!」
《CLOCK UP》


カブトはライダーフォームになるなりベルトに内蔵されているスイッチを手のひらで押しクロックアップを発動させ、ワーム同様姿を消した。

28:名無しさん
07/19(日) 00:48 RJZ+dJOXO



ワームの攻撃をかわしつつ、適格にダメージを与えるカブト。
必死の抵抗虚しくワームは後方に吹き飛ばされ地べたに倒れる。カブトはワームを上回る素早さと力で圧倒していった。


「グルオォォ……」

(―ЮYO)「そろそろ終わりだ」


完膚なきまでに叩き、カブトは最後のとどめに移る。
カブトゼクターの脚部分についた3つのボタンを順に押し、ホーンを元の位置にカシャ、と引き戻す。


《ONE、TWO、THREE》


カブトの胴体からマスクのホーンにかけて青い電光のエネルギーが溜まっていく。
すると、ワームが起き上がり、カブトを背後から襲おうと飛び掛かる。


「グオオォァァ!」

(―ЮYO)「ライダー…キック」


カブトがカブトゼクターのホーンを反対側に引き戻した途端、右足にエネルギーが流れていく。
そして、ワームがカブトの背後間近に接近し――。


《RIDER KICK》


(―ЮYO)「はぁっ!!」


カブトの回し蹴りを食らい、ライダーキックを受けたワームは声をあげることなく空中で爆発し消滅した。
と、同時にクロックアップの時間も切れる。


《CLOCK OVER》


(,,゚Д゚)「………倒したのか?」


カブトが残り、ワームの姿が見えなくなった為辺りを見回す。
ギコにとって、それは一瞬の出来事にしか見えなかったのだ。

カブトはカブトゼクターを外し、変身を解く。
ベルトと分裂したカブトゼクターは羽根を羽ばたかせどこかへと飛んでいってしまった。
ギコは、カブトが立っていた場所にいるモララーへと近付く。

(,,゚Д゚)「お前……どういうことだ、何でお前が…」

( ・∀・)「選ばれし者だから、と言えばいいか?」

(,,゚Д゚)「…最初からこうなるって分かってたのか?」

( ・∀・)「ああ」


モララーは迷いなくそう答えると、右手を挙げ天に向かい人差し指を突き出す。


( ・∀・)「俺は…天に選ばれし太陽」

( ・∀・)「何者にもこの輝きを消すことも、霞めることもできはしない…」


そう言い残すと、モララーは去っていった。

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