SCROMBLE
恋をするのは自由
「君屋がたまに俺の方を見てたのって、嫉んでたからなんだな。」
手島が少し悲しげに言った。
「俺がお前に気でもある様に見えたか?俺をホモにすんじゃねぇ!」
確かに自分の見た目からすれば在り得ない話では無いかもしれないが、俺にそんな気は微塵も無い。
「男同士で何がいけないんだ?」
手島が不意に真面目な顔で言った。
余りの真剣さに、身の危険を感じる程だ。
「い、いけないっつーか、きめぇだろ・・・。」
そう言った瞬間、手島に顎を持ち上げられた。
「何が気持ち悪いの?言ってみてよ。具体的に。」
「(こ、こいつ・・・!)」
手島が鋭い目つきで、俺の瞳を覗き込んだ。
俺の身長が168cm程だから、手島は180cmは越してるんじゃないだろうか。
「放せ!!」
見下ろされるのと顔の近さに耐え切れなかった俺は、手島を突き飛ばした。
「気持ち悪いに決まってんだろ!男同士で、一体何の意味があるんだよ!?」
「男と女だったら、何か意味があるのか?」
「あるだろうが!子孫残したり!」
「じゃあ、子供ができない夫婦は何の意味がある?君はそれすらも否定するのか?」
「そ、それは・・・」
そう言われると、何が悪いのかわからなくなってきた。
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