*
そんなこんなで次の日。
椿や小町に教えてもらったチョコレートを持って先輩はアキの家へ向かうところだ。
もちろん、俺や椿たちは後をつけている。
「よし!椿隊員!鬼塚天馬には気付かれていないな!?」
「もちろんであります、啓吾隊長!…小町隊員!秋人は今何しているんだ!?」
「はいっただいま夏美姉さんから連絡で、テレビを見ながらぼーっとしているみたいであります」
ちなみに俺たちは約10m後ろからガン見中!
気付いてはいないみたい、だってめちゃくちゃ怖い顔でなんかブツブツ言ってるし、絶対緊張してるよ先輩、面白っ!!
ようやく先輩がアキの家に着いた。だがそれから20分後の今も玄関を行ったりきたり…見かねた椿がアキに電話をかけた。
『もしもし、椿?なんかよ「今すぐ玄関に出きなさい!」………はい』
流石はヤクザの組長の娘、約二年目という所か。
常人が聞けば震えてしまいそうな思春期の女の子が出したとは思えないヒックーーイ声でアキを怒鳴った。
ガチャリとドアが開き、先輩とアキがご対面。
先輩はその名の通り、鬼のような形相で赤くなっているし、アキはアキで想定外の人がいたことにびっくりしていた。
「天馬先輩…?どうかしたんですか?」
可愛く(親ばかビジョン発動)首を傾げながら言うアキに言葉が見つからないのか、「あの」や「う…」など言葉になっていない声を出すだけだった。
そんな先輩に見かねたのかアキが思い切ったように声をかけた。
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