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03


その様子を見ていた小町がにっこりと笑って言った。


「怪我は男の子だし大丈夫だと思うけど、何かあったら大変だし病院行った方がいいね」


小町は隣に座っているミケの頬をそっと撫でた。

はたから見れば恋人っぽい動作かもしれないが、俺らは長い時間を一緒に居すぎて、もう家族や兄弟の関係と変わらない。
だから別にそれは普通の動作なんだけど、やっぱり他の人にはそう見えなかったようでナオが驚いた顔して口を開いた。



「え、ミケって小町ちゃんと付き合ってんの?俺、てっきり泉川先輩と付き合ってんのかと…」

それを聞いて耳を疑った。…泉川先輩とミケが付き合ってる…?


驚いてミケを見るとかああ、と驚くほど顔を真っ赤に染め上げてナオに立ち上がり言った。



「な、何言って!!…お、俺が孝介とつ、付き合ってるわけないだっ………〜〜いってぇえ…」



案の定、いくら中が広いと言っても車の中なので立ち上がったミケは盛大にゴンッと車の天井に頭をぶつけた。


不憫だな、と哀れみの目を向けるリョウを見るともう回復していて安心した。…反応からして泉川先輩とミケがどうのこうのの事は知っていたみたいだった。


「ミケくん、大丈夫?」

おろおろしながらミケを心配するトモも…ナオが知ってるんだから多分知っているだろう。




つまり――…






「知らなかったの、俺だけぇ!!?」


「だーかーらー!違うって!!孝介とは何にもないって!アキぃ…」



そんな事を言ってもミケは真っ赤だし、泉川先輩の事を名前呼びしてるし…第一、あの冷徹として有名な泉川先輩が穏やかに微笑んでうなだれるミケの頭を優しく撫でていたから。









「そ、なんだ」



なんだか、分からない感情が回ってる。

なんだろう。

多分だけど、これは。




「アキ?」





嫉妬、なのかな。





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あきゅろす。
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