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04
 
 
購買は人でごった返ししていた。

いつもならダッシュで走って行くか、朝にコンビニに寄ってくるのだが、今日は先輩のバイクで来たため買っていない。


「お、多いですねー」

殆ど棒読みで言う。
人混みは嫌いだ。


そして先ほどよりじろじろじろじろじろじろ見られている。正直うざい。
ノイローゼになりそうだよ、マミー…



そんな思いに浸っているとき、ガンッ!!と言う音が隣から聞こえた。

「見てんじゃねーよ、殺すぞ」


ひぃ!やらうわあ!やら声がして、一気に人が端に寄け、道が開いた。

うん、壁にヒビ入ってるけど見なかったことにしようかな。




「おばちゃん!俺、カレーパンにアンパンに焼きそばパンにレモンティーね!でアキがメロンパンとクリームパンにコーヒー宜しくっ」

マイペース、マイペースだね!ミケっ



お金はミケの分も先輩が払ってくれたみたいで、何回もお礼を言った。

先輩は優しく笑って頭を撫でるだけだったけれどそんな事が嬉しかった。


ちなみにナオとリョウはコンビニでトモは自作弁当だ。




屋上に近づくと途端に不良さんが多くなった。

屋上が先輩たちのテリトリーと噂で聞いたのを思い出した。




「ちわっす!鬼塚さん」

「こんにちは!鬼塚さん!!」

「鬼塚さん、ちわっす!!」



色とりどりの頭が勢い良く向けられるのはあまり気持ちが良いものではない。
少なくとも染めたことなどない俺はそう感じた。

実際、ミケが茶色に染めた時もびっくりしたしなあ…似合ってたから良かったけど。




「アキ?どした?」

「うへぇ!?…いや、なんでみょないひょ」

考え事の最中にナオに声をかけられ噛みながらも返事を返す。




「秋人、」

「え?ひゃっ」


ぐいっと先輩に後ろから抱きしめられる。
というか俺が後ろ向いてたんだけど。


先輩は多分、ナオを睨んだ。

ナオは驚きつつも笑っていた。
ワーオ、俺には真似できないね、一生。




ぐー…

「あ…ははは…」

ふいに俺のお腹の音が鳴った。
苦し紛れに笑ったが効果は薄いようだ。



「飯、食べましょう」

黙っていたリョウが声を出し、先輩を促す。


空気読めるね!
さすが学級委員だね!



先輩も納得したようで俺から離れたが手は握られたままで。
そしてもう片方の手で、屋上のドアを開けた。



そういうわけで、第一回ドキハラお食事会スタート!



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