君に恋してる!
「なあ、お前いま恋してる?」
『…は?』
ただ今お昼休み中、少し早く昼食を食べ終え、自分の席に座って授業まであと20分を指す時計をぼーっと眺めていると、隣の席のちょうど5個目のパンに突入した丸井から、急に問われた。
「は?じゃなくてよ、お前いま好きな人いるか聞いてんだよい」
『…あぁ、いるよ』
うん、いるよ。目の前にね。つかお前だよ。
なんて言う勇気はまだ無いから心の中にしまっておく。
今ここで言ったところでムードも何もないしね!
『で、丸井はいるの?』
「おぅ、いるぜぃ」
え、まじか。
丸井からこの話持ちかけてきたってことは、もしかしてアレ?恋愛相談ってヤツ?ええええ、やめてくれ。お願いだからやめて。
「仲良いんだけどよ、そいつすっげー鈍感だし。好きな人いるらしい」
『へー…そうなんだ』
あーぁ、やっぱり。きちゃったよ恋愛相談。
つか丸井仲良い子いたんだ…。わたし結構仲良い方だと思ってたのに。可愛い子なんだろうな、絶対勝ち目ないし。
「実は、この昼休みに告白しようと思ってたんだけどよー…」
はい、わたしの恋終了のお知らせ。
ああもう、泣きそう。
何が悲しくて好きな人の告白の背中押ししなきゃなんないの。
『してこれば?昼休みあと20分ぐらいあるし。大丈夫だよ、その子の好きな人もきっと丸井だって』
あああもう無理。涙腺限界なんだけど。行くならさっさと行け、バカ。
涙目になってるのを見られたくなくて、丸井と逆の方向に顔を背けた。
「俺さ、好き」
『ああもう分かったから早く行っ「なまえが好きなんだよぃ」…え』
いま、丸井はわたしに好きって言った?
嘘だ、有り得ない、そんなこと、
「…うわっ!お前何泣いてんだよい!」
『丸井が…っわたしに恋愛相談なんかするからあっ、わたし…、まるっ…いがっ好きっなのに』
「え、ま、じで…?」
『も、びっくりした、し…』
「…なまえ!大好き!!」
『っわあ!』
そう言うと丸井は強く抱きしめてきた。
腕の中でテンパっていると丸井が、可愛いすぎだろぃ、とか言うから顔も赤くなってさらにテンパった。
君に恋してる!
(いいとこ邪魔して悪いんじゃけどお二人さん、ここ教室ぜよ)((あ、))
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