暇つぶしげーむ






先生が唱える訳の分からない呪文…てか数式をなんとなく聞きながらぼーっとする。


そう、ただいま昼休み前の授業(しかもよりによって数学)真っ最中です。


…暇すぎる。

眠ろうにもお腹が空いて眠れないし、長ったらしい話を聞くのも飽きた。


隣の席を見ると丸井が退屈そうにペンを回している。


呑気だなー…って私も人のこと言えないか。



『ねー、丸井』


「なんだよぃ」


『じゃんけんしようか』


「は、なんでだよ」

『暇だから。丸井も暇そうじゃん』


「授業中に暇だからってじゃんけんしだすヤツがいるかよ」


『ここにいます』



そう言うと丸井は、意味分かんねーとか言いながら、先生にバレないようにポケットから青林檎味の飴を取り出して、口に入れた。



『あっ!飴ずるい!!ちょうだい!』


「残念ながらこれが最後だぜぃ」


『えぇ…じゃ、代わりにじゃんけんしようか』


「まだ言ってたのかよ。やらねーよ、別に勝っても菓子とかくれるワケじゃねぇんだろぃ?」


『お菓子なんかあったらとっくに食べてるよ』


「なんかねーとやる気しねー」


『じゃあ丸井が勝ったら私からのキッスをあげよう』


「…………」


『…………』


…あれ、なんでそこで沈黙するかな。
じょ、冗談のつもりだったのに!


私今すっごい痛い子じゃん。
恥ずかしい子じゃん。


てか、丸井も突っ込めよ!!
空気読めよ!


この空気をどうしようかと、色々考えを巡らせていると、丸井が沈黙を破った。



「その勝負受けたぜぃ」


『は、…?』



暇つぶしげーむ




(え、ちょ、マジで言ってんの!?)(今さら何言ってんだよぃ?お前負けたよなあ?)(あ、ハ…ちゅ、(いただき)(…〜っ!)





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