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I'm home2
次の瞬間、ぐ、と腰にのしかかる重み。
寝せてくれる、訳がなかった。

心臓がばくばくいって破裂しそうだ。

俺の腰に馬乗りになった獄寺はそのまま上体を倒してうなじにキスをした。
ちゅ、という水音がやたら生々しく耳に響く。

わーごくでらごくでらダメだって。俺、無理だから…
うれしいけど!


そうこうしてるうちに獄寺の唇は首筋に吸い付いて、それから耳たぶに到着した。


「んぁ…ごっ…くで…ひぇ!」

「やっぱ、起きてんじゃねーか。」


ふ、と息を吐いて獄寺が笑った。
それがあんまり綺麗で色っぽくて、少しだけ寝させてという文句はのどの奥にしまいこまれてしまう。

高い鼻を耳の裏に擦り付けて、つ、と舌を這わせられて。脇に添えられた手もシャツの中に侵入を開始した。

頭ん中がスパークしたみたいになった。


「ふ…ごくっ…ぁ…ごくでら、おれむ」


「武。」





こんなの、反則だ。
普段は呼ばない下の名前を、そんなエロい声で(しかも耳元で)囁くのは反則だと思います。


もう、どうにでもなれと思ったその瞬間、


「ねぇ。」



天から声が降ってきた。





「そういうことは家でやってくれる?」

「うるせぇ、みかん頭は黙ってろよ。」

「まず、君から咬み殺そうか、獄寺隼人。」


雲雀の生首が上から覗いていた。
寝室、と言ったのはボンゴレ本部の男子仮眠室のことで。
入った時には気付かなかったけど、俺が(今は獄寺も)寝ているベッドの二段目には雲雀が居たらしい。


嗚呼、なんか急に力が抜けた。

背中に感じる獄寺の体温が今度こそ俺を眠りの国に旅立たせようとしていた。

「君は万年発情期なわけ?山本武もよく身体がもってるよね。」

「てめぇには関係ねぇだろ!山本の体力なめんな!」



なんかよくわかんないけど褒められてる。
あ、もうダメだ。眠い…


ごめん、獄寺。
一眠りしたら、いっぱいかまうから。
嫌だって言われても抱きしめてキスして離さないから。



だから、





もう少しだけ雲雀とケンカしてて―



愛しい人のわめき声をBGMに、俺はやっと意識を手離すことができた。


END


2008.3.9 麻純





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