[携帯モード] [URL送信]
007


青空ミーティング

(輪になって、ひとつになって)




「苗字さん、昼休みに学校の案内してあげるよ」
「なあ、オレらと昼ご飯食べねぇ?」
「あの、えっと…」

転入翌日も相変わらず名前の周りには人が溢れていた。昼休みになればその数も倍である。少し離れたところからツナ達はその光景を見ていた。

「人気者なのなー」
「…あんなヤツの何がいいんスかね」
「ヤキモチか、獄寺?」
「だっ、誰があんな馬鹿女に!」

真っ赤になって否定する獄寺はどうにも説得力に欠けていた。名前だからと限った話ではなく、この手の話題が苦手なのだ。

「…昼ご飯、どうしようか?」
「あんなヤツほっといていいんじゃないんですか?」
「でも、名前困ってるのな」
「うん…」
「ツナ、助け舟出してやろうぜ」
「…うん、オレ行ってくるよ」

名前の机に集まる人を間近にツナは息を飲んだ。間違いなく先輩も紛れている。勇気を出して群集を掻き分けて行く。いつもならば獄寺が言うようにほっておいたかもしれない。それでも不思議とツナはそれができなかった。

「なあ、行こ…」
「あのっ…名前!」
「綱吉!」
「えっと…お昼…」
「お前、割り込んでんじゃねぇよ」

ようやくたどり着いたものの、そこからが戦場。やっぱり慣れないことはすべきじゃない、不幸体質である自分がヒーロー気取りなんて。押しのけられたツナが怯んだ瞬間、名前と目が合った。その目は明らかに自分を頼っているようで。

「い、一緒に食べよう、名前!」

その声は弱々しく決してかっこいいものではなかったが、名前は嬉しそうに満面の笑みで頷いた。





あきゅろす。
無料HPエムペ!