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sweet bitter




「―――〜〜ッ!!」


あの、一体なんでしょうか。


何やらさっきからユーリさんが険しい顔で奮闘しているのですが。


「くっ…このっ…!私に逆らう気か…!?」

何をそんなに苦戦しているのかと見れば、自らの右手首に視線を集中させているユーリ。

シルバーのブレスを必死で留めようとしているけれど、その度にするっとずり落ちてしまいなかなか上手くできないようで。

あぁ、ユーリ右利きだから右手には付けづらいよネ。

あらら、不器用な恋人の為に手伝ってあげよう☆

座っていたソファから立ち上がり、依然としてなかなか留まらない留め具と格闘しているユーリの元へ近付く。


「…ッ、んん、ぅ…」



いや、あのー…なんていうか……

非常に、声がエロいんですが、ユーリさん。
本人は無意識の内に苛立ちのせいか唸ってしまってるだけなんだろうけど、声がなんかアブナイ。

アナタさぁ、自覚ある?
いつもいつもこんな調子じゃ誰に何されるか分かったもんじゃない。

ぶっちゃけDeuil以外でのソロの仕事の時とか、大丈夫なんだろうか。

僕が一緒に居なきゃ守ってあげられないじゃナイのさ。


「ユーリ、そのブレスレットちょっと貸して?」

「え、」

「もー、だってユーリ左手じゃ上手く留められないデショ!誰かにやってもらった方がいいじゃない?」

「……い「いらんとか言わない〜」


ユーリの台詞を遮る。
『何故分かる…!』と言いたげな目をして少しだけ驚いていた君から、持っていたブレスレットを奪いパチン、と素早くその細い手首に留める。

大体ねー、君の言いそうなコトって分かるヨ。
君はこういう時素直に人に頼ろうとしないんだもん。

前にも棚の一番上にあった本取れなくて怪我する寸前状態になってたし…


意地っ張りだなぁホント。
まっ、惚れた弱味だネ。
そーんなトコも可愛いかったりするんだケド…カッコつけてばかりじゃ、疲れちゃうヨ?

「このっ、留め具が使いづらいタイプのだからいけないんだ」


今度は物にまで八つ当たりですか。
いや、まぁ確かにそのカニ爪みたくなってるタイプって自分でだとやり辛いケドさ。

…ヒヒッ☆仕方ないナ〜、我儘なお姫様の機嫌を治さなくっちゃネ!

「ところでユーリ喉渇いたでショ?飲み物買ってきてあげる☆」

何がいーい?と聞けば

「…ココアでいい」

とか言う。
なんかそのチョイスがちょっと意外だったんだけど。


「へぇ〜珍しいネ。甘いもの普段は飲みたがらないのに」

お疲れかい?

「いや?ただ何となくそんな気分なだけだ」

ふーん。
まぁ君の気まぐれは今に始まった事じゃ無いもんね。
でもココアって…余計に喉渇きそうだケド。


「じゃ、ちょっと買いに行ってくるネ★すぐ戻るから、寂しがんないでヨ〜?」

「…誰がだ。さっさと行け」

わーん、冷たイー。
スマちゃんちょっぴりショック。

「ちょっとくらい寂しいと思ってくれてもイイじゃないー!」

「……」

あ、これシカトモード入っちゃったヨ。

ツレない恋人を持つと大変だなぁ〜。

ね、甘い甘いココアを買ってきてあげるから拗ねないで待ってて?




パタン








スマイルが扉を閉めたのを確認し、はぁと溜め息をつく。

…別に、ココアを頼んだのは特別飲みたかった訳でも、単なる気まぐれでもない。

ただ、スマが戻ってきたらさっき言えなかった“ありがとう”を言おうと思ったから。



ココアの甘さにでも誤魔化してもらわないと、きっと私は素直に感謝の言葉を言えないだろうから、な…












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最近糖尿病じゃない?笑

ブレスレット留まんなくてひぃぃぃぃってなってた時に思い付いた文です←
の筈がもはやココアがメインになってしまったという文才の無さ○rz


(09'6/13)

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あきゅろす。
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