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merry-go-round(Deuil)





そういえば君の誕生日ってさ、いつなの?










『メリーゴーランド』








「誕生日…?」

「ウン、誕生日!」

さて、どうしたものかと考える。
自分が生まれた日は愚か、今何年生きているかすらとうの昔に忘れてしまったというのに。

「…覚えていないな、そんな呆れる程昔の事など」

「え〜!それじゃユーリの生まれた日を祝えないじゃナイ」

「そう言われても……」

嘆かれても、覚えていないものは、どうにもしようがない。
第一、私達妖怪は人間と比べ遥かに長命で。

仮に知っていたとしても、毎年の如く誕生日など祝っていては逆に虚しくなるのではなかろうか。

年月に関しては、そんな風にマイナス思考気味に考えてしまいがちだから、スマイルの前向きな発言がなんだか少し羨ましく感じられる…のだろうか。

「…いや、ただの馬鹿だな」

「へ?何一人で納得してるのさ!」

うっかり声に出してしまった呟きはどうやらスマに聞こえてしまったようだ。

そういえば…私には聞いてくる癖に。

「スマの生まれた日を、私は知らんのだが」

と問えば、


「え?そんなの決まってるじゃない☆……いちいち覚えてるわけないデショ」

あっさりとそんな事を言ってのける。

「さっきと、話が違うではないか」

「僕はユーリの誕生日をお祝いしたかっただけだもん」

ニパッと、笑顔で朗らかに言われた。

というより、もん。って何だ。
この年になって可愛こぶるな。
いや、外見上は何百年と経った今でも変わらない私達ではあるが。


「それでもやっぱりさ〜、この世に自分として生を受けた日が分からないってちょっと寂しくならない?」

「そうか?」

まぁ言われてみれば少しだけそう思うかもしれない。
少しだけ、な。


「あ!イイこと思いついちゃった〜♪」

う〜んと唸っていたスマイルが急に顔を上げる。

「アッスくんなら僕らよかずっと若いし、自分の誕生日覚えてるデショ!」

「…それはまぁ、そうだが…?」

意図が分からずはてなマークを浮かべる。


「ヒヒッ★だからネ、生まれた日が分からないならアッスくんの誕生日を僕ら3人のってことにして、みんなでお祝いしちゃおうってワケ」

「なるほど」

便乗というやつか。
何かとイベントごとが好きなスマにとっては、こんな事でも結構大切なのかもしれない。

1年に1回だけのことだから、余計に。


と、その時。
食器洗いをしていたアッシュが、ちょうど良いタイミングでキッチンから戻ってきた。


「ねぇねぇアッスくんて誕生日いつー??」

早速尋ねるスマイル。


「え!誕生日ッスか?…んーちょっと覚えてないッスね;」


「えー!アッシュくんまで?!まだ僕らよか若いっていうのにアッシュくんそれじゃ痴呆だヨ!」

……遥か年上の私達には言われたくないと思うぞ。


「俺だって人間と比べたら長生きッスよ」

「そうだケドさ〜」


そんなスマとアッシュの会話を聞きながら、何となく思った。

――――――……誕生日は分からないけど、これからもこのまま3人、共に年を取ってゆくんだな。

何でもない日常の事なのに、どこか幸せに感じるのは目の前にいる二人のおかげだろう……


いつになくそんな緩い思想に浸ってしまうのは、厳しい寒さが終わり、訪れた柔らかな気温のせいなのかめしれない。

季節は私達の周りを巡り巡ってまた何周もする。

まるで、メリーゴーランドのような……



騒がしすぎるのも困りものだが、悪くないな。

今日はそんな、気分。







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Deuilってこんな会話してそうと、思って(笑)
スマはイベントごと絶対好きですよね!
そして二人ともアッスくんがメンバーになった日はちゃんと覚えてて、Deuil結成記念とかはちゃんとみんなでお祝いするんですよ(*´д`)萌


(09'5/6移動)

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