4月の・・・
「ユーリ、話があるんだケドちょっとイイ?」
「なんだ?」
いつものように笑みを浮かべはしない。
そして、少しためらいながら、思い切ってこう告げる。
「僕、ユーリの事嫌いになったみたい」
「ぇ………」
ユーリは、突然過ぎる僕のその言葉に唖然としている。
だって、そうでしょう?
いきなり、なんの前触れも無くそんな事言われたらこの反応は当たり前だよネ。
僕だったらどうにかなっちゃうな。
そう、もちろんこれはウソ。
だって今日は……………
「そうか、それはよかった。私もちょうどそう思っていた所だ」
はい?
「私も、お前など大嫌いだ。ではな」
二度と顔を見せるな。
そんな事を言って立ち去るユーリ。
え、ちょっとちょっと。
ユーリちゃん?
素っ気無いユーリの反応に、焦りを隠せない。
えっと、その……軽い、エイプリルジョークのつもり、だったんだけど……
もしかして、僕の事本気で嫌ってる?
てゆうか僕って愛されてなかった??
うーん。
いずれにしろこのままじゃマズい。
なんとなくそう直感で感じ取った僕は、既に遠くなってしまったユーリの背中を追いかけ、その細腕を掴んだ。
「…ッ何をするっ!!離せッ……!!」
全力で腕を振り払おうとするユーリ。
ねぇ、そんなに拒否されたら哀しくなってしまうじゃない……
「ゴメンゴメン、でも僕の話を聞いてヨ…」
「…聞きたくなど、無いっ……」
「そう言わずにさ……って、ユーリ…?」
彼の、白過ぎる頬はいつも以上に蒼白で。
その肌と対象的な瞳は今にも零れ落ちそうな雫を溜めていた。
思わず、固まってしまい言葉を発することができなかった。
「……私の事をもう好きでないお前の話など、聞きたくも無い……っ…」
……!
「ユーリ、それ、本気で僕が言うと思ったの?」
「………違うと、言うのか…?……偽りの心なんて、いらない……」
零れそうな涙を堪えながら、消え入りそうな声でそう呟く。
ああ、なんだ。
僕ってばすごく愛されてるじゃない……
「ごめんね、ユーリ。君を嫌いになったなんてウソに決まっているじゃない」
そう言って、困惑しているユーリにエイプリルフールに関する説明をする。
………当然ですが、殴られました。
「しばらく近寄るな、この大嘘付きがっ!!!」
と怒り心頭中の吸血鬼様だけど、その顔、誤魔化せないよ?
だって、今の君の顔、さっきの哀しさを前面に現した表情と違って、すっごく安堵している感じだもの。
「ゴメンネ?ただほんの冗談のつもりだったんだ」
ちょっといじめ過ぎちゃったケド。
「でもネ。例えウソだと分かっててもユーリに嫌いって言うだなんて、本当は僕もちょっと辛かったんだ」
これは、本音。
「だから、これからはウソでもユーリに嫌いなんて言わないヨ」
「…馬鹿……」
言葉とは裏腹に、僕の胸に顔を寄せて抱きつくユーリ。
そんなユーリの頭を撫でる。
「ウソを付くお前なんか、大嫌いで、でも………大好き………」
そんな、珍しく素直に言葉をくれる彼の表情は伺えないが、耳が真っ赤に染まっていた。
僕は、その耳元で、こう囁く。
「ユーリ、エイプリルフールの日だろうが関係無しで、僕は1年中ユーリだけを愛してる」
触れている彼の顔の熱が、より上がったのは言うまでもない。
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一番最初に拍手に置いてました。
すみませんすみませんエイプリルフールとかとっくに過ぎてる癖にうっかりネタが浮かんでしまったために書かずにはいられず^^^
しかも即席です(爆破
4月バカですね\(^o^)/お前がな
(09'5/6移動)
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