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地球征服?!遅刻はNG!



「ところで君さ、人間デショ?」

「そうよ」

「じゃ、普通科の方ッスね?」

アッシュの問いに、彼女は意外な答えを出す。

「いいえ。私は魔術科よ」

「へぇ、珍しい〜」

そうそう、僕らの学園は普通科と魔術科…通称、妖怪学部に分かれているんだ。

普通科は人間がほとんどで、魔術科は妖怪だったり半妖だったり、魔女だったり色んな種族が在籍してるんだけど。
最近では人間でも魔術科に入る人は何人か居る。


「…貴方達は妖怪ね。……ふ〜ん、人狼と透明人間かしら?」

「ウン、そうだヨ」

「メルヘン王国にはいろんな種族が住んでるんスよ。まぁでも、魔術科はやっぱり人間の子は珍しいッスね〜」

魔術科の授業は、中にはちょっと危険を伴ったりするものもあるから、人間でこの学部に入るのはまだ少ないんだケドねぇ…


「ふふっ。だって、魔術科の内容は世界征服に役立つ力になることに間違いないじゃない?」

「「はい?」」

えーと…アレかな、もしかしてこの子痛い系?それとも電波系?

しかし、彼女は至って真剣な顔で言うのだ、本気に違いない。

あまり触れないでおこう…


「ちょっと!今“こいつ頭大丈夫か?”って思ってたでしょ?!」

おやおや、ご名答。

「そ、そんな事ないッス!夢を持つのはいいと思いますよ!ただ、征服とかじゃなくてもう少し社会の役に立つ…」

ポカンと口を開けていたアッシュが慌てて取り繕う。
いつものお説教口調になっているものだから、つい笑ってしまう。

「失礼ね、私はいつだって本気よ!いつか絶対、地球を征服してやるんだから!!」

「そ。じゃ、ガンバレ〜」

「ちょっと貴方!バカにしてるわね!?」

「さぁネ〜?」

まぁ、ちょっと吹き出しそうになったケド。

「今の顔!ぜーったいにバカにしてるわ!」

「ま、まぁいいじゃないッスか今はとにかく急ぎましょう!えーっと……」

「スミレ。私の名前よ」

「あぁ、申し遅れたッスね。俺はアッシュっていいます」

律儀に挨拶するアッシュ。
まーったく、人が良いんだから…あ、妖怪か。
まあ仕方ないネ。

「僕は、スマイルだヨ〜。よろしくネ☆」

お得意の笑顔で、そう言う。

僕等ってかなり友好的な妖怪じゃない?

「…別に、友達になってあげないこともないわ………」

相変わらず偉そうな態度と、キツめな口調はそのままだったけれど、表情が幾らか和らいだ気がした。

そんなに悪い子じゃあなさそうだし。
かなり変わってはいるケド…

そんな話をしていたら、ふと見た腕時計にあと5分で始業のチャイムが鳴る時刻なことに気付かされる。

「わ〜!急ぐッスよ〜!」

焦るアッスくん。
今まで皆勤だったからねェ…なんでも、皆勤賞者には学食の券¥5000分がもらえるらしい。
学生にとっては貴重な学食代だものネ。


「ま、僕はそんなに皆勤にこだわらないから別にイイんだケド〜」

「良くないッス!!」
「良くないわ!!」

同時に言う二人。
意外と、気合うんじゃナイ?

「分かったヨ」

早朝から、しかも新学期の初日から全力疾走だなんて、なかなかにまた忙しない1年になりそ〜。
そんな事を思いながら、先に走っていった二人の方へ、走り出した。






始まりの朝。


それは、まだ本当の始まりの、序章であり。









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さーせん(^o^)/
スミレちゃん大好きなんです(*´д`)v
思わず登場させちゃいました←
いよいよ次回はあの方が登場します。フヒヒ←

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