爽やかな朝?!
空には雲ひとつ無い、快晴。
う〜ん、始業式っていう1年の新たなスタートを切るにはまさに相応しい天候だネ〜
大きく背伸びをし、学校までの道のりを歩き出す。
僕の名前はスマイル。
ポップン学園に通う、高校2年生。
と此処まで書けばそこら辺にいそうなごく普通の学生に見えるデショ?
……ざ〜んねん★
僕達の学部は一般的な高校と比べるとちょっとばかしかけ離れてるんだ。
それは何かっていうと……
僕らは、妖怪学部に所属する正真正銘の妖怪だってこと♪
「スマ〜!おはようッス〜♪」
「あ、アッスくんオハヨ★」
心地良い春風を感じながらの〜んびりと歩いていたら、どうやら後ろから駆けて来たアッシュくんと合流した。
この、人狼であるアッシュくんも僕と同じく妖怪学部に通う2年生。
1年の時クラスが一緒になってから、仲良しなんだ。
あ、ちなみに僕は透明人間ってやつ。
青い髪に紅い瞳、左眼を包帯で覆っているのがトレードマークなのさ。
アッシュくんも紅い目をしてるんだケド、彼は前髪で隠しちゃってるんだよネ。
勿体ないナ〜。
「いやぁ〜、春休みってなんだかあっという間だったっスね」
「ほーんとほんと!また今日からあのキャラ濃ゆい先生達のスパルタ授業受けなきゃならないなんて、すっごく憂鬱〜!」
「え〜、でもその割にはスマ楽しそうじゃないッスか?」
「そ〜う?ま、好きな科目だってあるし、そんなに悪くもないカナ〜なんてネ☆」
「スマらしいじゃないッスか」
笑いながらそう言うアッシュくん。
僕は彼の屈託のない笑いと、単純でまっすぐな所が好きだ。
正反対な僕らだから、きっと気があったんじゃないカナ?
今では、1番の親友であり悪友★
よく風紀委員に注意されたり自転車の二人乗りで事故りそうになったりするからネ。
そんなこんな、二人で他愛ない話を繰り広げながら学校へと歩いていたら、突然声を掛けられた。
「ちょっといい?ポップン学園てどっちかしら?!」
「「ん?」」
振り返ると、そこには。
ピンク色のロングへアーの女の子。
なんとなく、気の強そうな雰囲気を醸し出している。
「あー、君、新入生かい?」
「違うわ!私は2年から転入する事になったの。初めて来るものだから迷っちゃって…」
「あぁ、そうなんスか!なら俺らもポップン学園の生徒なんで、案内しますよ」
「そうね、そうしてちょうだい!」
…なんか生意気だネ〜。なんだろ、この子。
隣を見れば苦笑気味のアッシュ。
「それよりも、そんなにのんびり歩いてたら遅刻しちゃうじゃない!初日から遅れるなんて、赤っ恥かきたくないわ!」
急いでちょうだい、と言い歩き出す彼女。
でも…………
「そっちの方角じゃ、ないヨ」
立ち止まり、踵を返し戻ってくる。
「ちょっと、間違えただけ。誰にだってあるでしょ!?」
少し顔を赤くさせながら怒り口調だ。
というか何に対して怒ってるのか分からない。
「変わった子だねェ…」
「…まぁ、ほっとくわけにもいかないし、仕方ないッスね」
うーん、新学期最初の朝からハプニング満載な予感だネ。
そーいえば。
僕達この子の名前すら知らないんだケド。
「ぼやっとしてないでとっとと行くわよ!」
当の本人は、急かすように叫んでいた。
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