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私の問いと彼への…



でもそれはほんの一瞬の出来事。
私の勘違いかと思わせるほどに微かなものだったけれど。

「だってユーリ、僕の顔見た途端にすっごく嬉しそうな顔したじゃナイv」

「それはっ……///」

そんな顔を私はしていたのか、そう思うと急に恥ずかしくなり言葉に詰まってしまう。


「そっ、そんなことある訳が無かろう」

顔に、熱が集まるのが分かる。

なんだか、スマにはいつも1枚上手を取られてばかりな気がする。

確かに、それまでこの部屋にひとりで、ひどく不安でつまらなくて、どうしようもなく寂しかったのに…スマが帰ってきた瞬間に言葉では言い表せない安心感に包まれた。

それまで無音だった世界に、明るさを取り戻したかのような、そんな錯覚まで起こさせる。

ああ、私にとってスマの存在は必要不可欠なのだ。

改めて、そんな風に思ってしまう。
まだ、プライドと意地のせいで素直に告げられないけれど。

いつか、この想いは伝わるだろうか。


彼に、私の想いを素直に伝えられるのはいつになるだろうか。


ふと、そんな事を考えていたら彼の穏やかな笑顔に、心満たされている自分が居て。
あぁ、離れたくない……

だからつい、聞きたくなった。



「スマ、おまえは急に私の前から居なくなったりしないだろう…?」

そんな、突然の問いに意表を突かれたようで、スマイルは硬直していた。

いつもスマには驚かされてばかりだっただけに、少しだけ勝ったような気分になる。

「急にユーリがそんな事言うなんて、頭ぶつけたりした…??それとも、僕に見とれ過ぎて熱出ちゃったとか?」

そんな感じに目をぱちくりさせながら言うものだから、だんだん恥ずかしさがこみ上げてきて。

「もう、いいっ!」

そう言って腹いせにスマの頭を軽く殴ってやった。


「あ、愛が痛いヨ、ユーリっ…」

「知るかっ」

言ってしまった後で、聞かなければよかった。
恥ずかしさのあまりそんな後悔の念が押し寄せてきた。


これは前から…ずっと、昔から…………私の聞きたかったこと。

隠せない、スマへの気持ち。

無表情で何を考えてるのか分からない私という人格。
そんな風に自分自身の弱さをただ隠す為に造り上げた筈であった私の人格も、スマの前では無意味。

彼には、見破られてしまう。
ほんの、少しの心の変化。
不安、哀しみ、嬉しさ……愛しさ。

決して感情表現が豊かな訳では無い、むしろ自分の感情を表に出すことが苦手で不器用である筈の私の気持ちも、彼には何故だか、伝わってしまうのだ……




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