Confusion!!(修正前)
3.
「やあ。久しぶりだね、珠音」
「……お久しぶりです折原さん」
「元気だった?」
「おいノミ蟲……
手前珠音に何をした?」
「はぁ?シズちゃんなんか勘違いしてない?俺は別に珠音に何もしてないよ?
ねえ、珠音?」
わざとらしく私に一歩近づく折原さん。
静雄さんが私の前に立ちはだかり、折原さんを近づかせまいとする。
「……静雄さん、良いんですよ。
折原さんの言ってる事は正しいんですから」
「おい、珠音?
お前それどういう意味だよ?」
静雄さんが私に詰め寄る。
「あれ?シズちゃん何も聞いてないの?その子が昔した事」
折原さんが楽しそうに言う。
「おいノミ蟲テメェいい加減に……」
「静雄さん」
私は、静雄さんがガードレールを引っこ抜こうとするのを止める。
「……珠音?」
「この件では……折原さんを責めないで下さい。
悪いのは過去の私と……現実から目を逸らしている今の私なんです。だから……」
私が苦悶の表情を浮かべ、静雄さんが不安そうにしている顔を見て折原さんは笑みを濃くする。
本当に愉しそうに。
直後ー私達のやり取りは、『影』の乱入によって遮られた。
エンジン音も無く現れた黒バイクが、私達の間に割って入る。
「あっ……」
「おやおや」
「セルティ……なんだよ?」
それぞれ声をかけるが、セルティさんは取り急ぎ折原さんにかるく手を振ってけん制し、静雄さんの方にだけPDAを向けた。
私も、静雄さんの後ろから画面を覗き込む。
「……なんだこりゃ」
そう、まさになんだこりゃ、だった。
PDAには、あのチャットのログが映っておりーそこには、昨日のチャットから更に進化した罪歌の言葉で埋め尽くされていた。
「……これも、手前の計算か?」
静雄さんが折原さんの方を向き直って口を開く。
「なんの事か知らないけど、セルティが偶然ここに来てくれる事まで計算できるなら、俺はとっくに君の家に隕石でも落としてるよ」
静雄さんはそれでも暫く折原さんの方を見ていたけれどーやがて、諦めたように舌打ちした。
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