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Confusion!!(修正前)
4.
絶句する折原さんを見て、私は思わず吹き出した。


「アハハ、冗談ですよ。
たまには貴方の驚く顔が見たかっただけですから」


そう言うと、私は荷物を纏め始めた。

刹那ー。


「ッ!?」


突然後ろから抱きつかれる。


「……え……?折原さ」「ねえ珠音」


折原さんは言葉を遮るように話し始めると、私の身体を半回転させた。
私は、自然に折原さんと向き合う形になる。


「な、何ですか……?」

「俺の事、名前で呼んで?
『臨也さん』って」

「は……?何でですか?」

「良いから。早く呼んで?」

「……い、い……臨也……さん……」

「ダーメ。つっかえないでちゃんと呼んで?」

「……臨也さん」


すると折原さんは満足そうに頷いた。


「ねえ、これからはそっちで呼んでよ」

「え?臨也さん……ですか?」

「うん、そうそう」

「はぁ……解りました」


私が答えると、


「それじゃ、仲直りの印」


臨也さんはそう言って、今度は正面から私を抱き締めてきた。
突然の展開に、私はパニック状態になる。


「臨也さん!私冗談だって言ったじゃないですかッ」

「え?言ったっけ?」


私を抱き締め、ニヤニヤしながらそう言う臨也さん。
でも、何でだろう。
臨也さんの事が嫌いな筈なのに、臨也さんにそうされる事が嫌だとは思えない自分がいた。


「取り敢えず落ち着いて下さいお願いします」

「寧ろ落ち着かなきゃいけないのは君じゃないの?」

「だ、だって私こういう事に対する耐性ができてないので対応が解らないと言いますかッ」

「ふぅーん、そうなんだ。良い事聞いちゃった」

「……え?ちょっ、と!?何でさっきより力込めたんですか!」

「だって耐性無いなら慣れないとでしょ?」

「〜〜〜ッ!そういう無駄な気遣い要らないです!」


思えば、臨也さんとのこういうやり取りも久しぶりで、私は自分の中での日常がやっと完全に戻って来たような気がした。


♂♀


それから少しして、臨也さんは私を解放すると、何事も無かったかのように部屋を出て行った。

後に残されたのは、真っ赤な顔で俯く私と、私の荷物達。


「あーもう……臨也さんのバカバカバカバカ……」


何でああいう事しちゃうかな……

私はゴロンとその場に横たわる。
顔の熱は中々引いてくれそうもない。
臨也さんは酷い事を散々した後にこうやって絶妙なタイミングで優しくなるから本当に狡い。
しかも顔(だけ)は無駄に整っているので、それが余計に拍車を掛けている。

……まあ、臨也さんの絶妙なタイミングの飴と鞭も、全部彼の作戦なんだろうけど。

でも、それにまんまと乗せられている私は、あの人の手の上で弄ばれているような気がしてちょっと悔しくなった。

いつまでもこんなんじゃいけない。
あの人の思い通りになんかなるもんか。

私はペチンと両手で頬を叩いて気合を入れると、


「取り敢えず……片付けますか」


何と無くそう呟いてから、作業に取り掛かった。

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あきゅろす。
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