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Confusion!!(修正前)
5.
「でも……だって……それは貴方がそう思ってるだけでしょう!?」


そして、女性のうちの1人が胆力を振り絞って出したこの言葉も、奈倉さんは淡々と喰らい尽くした。


「その通り。正確にはわからない。俺が勝手にあの世が無いって思ってるだけさ。まぁ、あったらラッキーと思うけどさ。その程度のもんだよ」


ハハ、と無機質な笑いを漏らしながら、奈倉さんは更に明るい調子で話を続ける。


「でもさ、君ら2人は違うじゃん。
あの世も中途半端にしか信じてない。それとも君の信じてる宗派は自殺を肯定した上に『就職や恋愛に失敗したら死ぬと良い』とでも教えてるのかな?それならば俺は何も言わないし立派だとさえ思うがー
そうでないのなら、まぁその、黙れ」

「中途半端にしか信じてない奴があの世を語るのはやめようよ。それは、あの世に対する侮辱だ。本当は死にたく無かったのに、他人の悪意に追い込まれて死んじゃった人達に対する侮辱だよ」


……あぁ、頭の中混乱してきた。
多分他の人達もそうなんだろう。顔を見ていれば解る。


「あ、1つ言い忘れてた。さっきの藍ちゃんの意見ーほら、『死んだ後はどうするかなんて聞くのはタブーだ』って奴ね。確かに正論だ。俺も感服しちゃったよ。
ー但し、俺が本当の自殺志願者だったら、の話だけど。
俺は死ぬつもりなんて最初から無かったし、純粋に面白い人間がいないかどうか探す為ー要は趣味でこんな事してたからさ、あんな事聞いたんだよね。
いやーでも……ははは、実はさ、さっき言った『死んだ後はどうするの』っていうのは、まぁぶっちゃけ、お金の話なんだけど」


……は。


「……え」


唖然。


「俺って無駄が嫌いなんだよね。だからさ、保険とかは最近チェックが厳しくなったから無理だけどーお金とかをさ、できるだけ色んなとこから借りたりしてさ、そのお金を僕に渡してから死んで貰えない?君達の死は無駄になっても、君達のお金は無駄にならないよ。あと、君達の戸籍とか体とかも残らず売り尽くせば、その、かなりの額になるしさ、んで、俺はそういう事ができるルートも知ってるし」


怖ッ。
この人怖いホントに怖い想像以上に怖いッ。

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