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Confusion!!(修正前)
5.
「平和島さん、セルティさん」


私は平和島さんとセルティさんを見かけると声を掛けた。


『珠音……久しぶりだな』


あ、セルティさん、呼び捨てにしてくれた。
何だか、彼女に1歩近づけたような気がして凄く嬉しい。


「セルティさん。会いたかったです」

『私もだよ、珠音。
……静雄に話は聞いたぞ。臨也に変な事をされたのか?』


一瞬、私が出て行くきっかけになったあの出来事がフラッシュバックする。


『珠音!?だだだだ大丈夫か!?』

「おい、珠音!?」


セルティさんと平和島さんが、一斉に私に声を掛けてくれた(セルティさんの場合、PDAを突き出してくれた)。


「だ、大丈夫です……。
取り乱してしまってごめんなさい」

『……何かあったら、いつでも頼っていいんだからな?』


セルティさんのこの一言に、私は凄く元気を貰った。
やっぱり私にとって、セルティさんは憧れ的存在だ。

そして、平和島さんがセルティさんに向き直って、


「で、今日は俺に何の用だい?
わざわざそっちから来てくれたってことは、何か俺に用があるんだろう?」


と言った。

セルティさんは静かにPDAを取り出して、必要最低限な言葉で情報を提示した。

街で起こっている斬り裂き魔事件のこと。
最近ネットで現れた罪歌という人物が、平和島さんの名前を出したこと。
罪歌は、斬り裂き事件と関わっているかもしれないこと。
平和島さんのことを色々聞いてきた記者さんが(やっぱり平和島さんに投げ飛ばされてた人だ……)、斬り裂き魔の被害にあったということ。
そしてーチャットで平和島さんの名前が出たのが、その記者さんが斬られた夜だということ。

ーあれ?
ーもしかしてセルティさん、私と同じチャットやってる……のかな。

尋ねようかと思ったけれど、私はすんでの所で思い留まった。

誰だって、プライバシーに関わる問題に触れられたくない事はある。
もしかしたらセルティさんは、あのチャットでは、デュラハンとしてではなく、人間らしいセルティ・ストゥルルソンとして存在していたいのかもしれない。
もしもそうなら、私には彼女の存在意義を奪う資格はない。
それに、どちらかと言うと此方の理由が大半を占めるのだがー私自身、セルティさんにそれを尋ねるのが少し怖かったのだ。
だって、あのチャットには帝人君もいて、折原さんもいて、私もいて。
そこにもしセルティさんもいるとしたらーそれは、余りにも出来過ぎた話ではないか?
もしそれが真実だとしたら、自分の中であのチャットルームの存在が壊れてしまう気がした。
だから……私は見て見ぬ振りをする。

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あきゅろす。
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