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Confusion!!(修正前)
3.
チャットルームにて皆が騒いでいた頃ー
私は警察署で事情聴取を受けていた。

……とは言え、今回の事件は色々と不可解な部分も多かったので、簡単に状況を説明した後すぐに解放して貰えたけど。

私が警察の人と話をしている間に、帝人君から電話が入ったようで、「愛峰先輩の事も凄く心配していましたよ」と後で杏里ちゃんが私に教えてくれた。


そして、現在警察署からの帰り道なのだが……
私は悩んでいた。
折原さんの所には今更戻れない。
でも、私にはホテルに泊まれる位の高額のお金は持ってないし……
おまけに、夕食もまだ食べていないのだ。

私は、自分がこの街に来てからあの人にどれだけお世話になっていたのかを染み染みと実感した。


「……愛峰先輩?」


考え込んでしまった私を見て、杏里ちゃんが訝しげに尋ねる。


「……え?
あぁ、ごめんね?何でもないよ」


私が慌ててそう答えると、杏里ちゃんはちょっとだけ微笑を浮かべた。


「あの、私の家、ここなので……失礼しますね。おやすみなさい」


そして、彼女はそのまま家に入ろうとする。


「待って!」


杏里ちゃんを呼び止めると、彼女は此方を振り返った。


「あの……
アドレスと電話番号、交換して貰えないかな?」

「……すみません。私の家、ネット環境ないんです……」


申し訳なさそうに答える杏里ちゃんを見て、今時ネット環境がない家も珍しいなあと思いつつも、


「そっか……じゃあ仕方ないね。
ごめんね、変な事聞いて。
それじゃ、また」


私はそう言って杏里ちゃんと別れた。


♂♀


今の私には帰る場所がないので、仕方がなく、ネットカフェに入る事にした。
歩きながら見つけたファーストフード店に入り、テイクアウト用でハンバーガーのセットとコーラを頼む。

ふと横を見てみると、そこにいたのは見覚えのある金髪とバーテン服。

あれ?もしかして……


「平和島、さん?」


私が彼に話しかけると、彼は驚いた様子で此方を見つめた。


「……珠音か?」


私が頷き「お久しぶりです」と言うと、平和島さんはちょっとだけ微笑(わら)って、「おう」と言った。


「……取り敢えず、席つくか」

「そうですね」


私達はそう言って、近くの椅子に腰掛けた。

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