[携帯モード] [URL送信]

Confusion!!(修正前)
2.
束の間の沈黙。
そして、2人参加者の女性は、こう尋ねた。


「え……それって、天国って事ですか?」

「奈倉さんは、あの世って信じてるんですか」


奈倉さんは笑いながら首を振り、「みんなはあの世って信じてない?」と聞いた。
私にとってはそんな話、ぶっちゃけどうでもいい。
どうぞ勝手にやってて下さい、という感じだ。
だが参加者の2人は私とは違った。
彼女達はすぐに奈倉さんの問いに答える。


「私は信じてます。あの世って言うか、地縛霊になって彷徨うみたいな……」

「私は信じてません。死んだら何も無くて、ただの闇で−でも、今よりはずっとマシ」

「……ふぅん。
藍ちゃんは?」


奈倉さんが、突然私に話を振ってきた。
因みに、『藍』というのは、私のネットでのHNだ。

私は何も話すつもりは無かったんだけどなぁ。
暫く黙り込んでいたが、奈倉さんの無言の圧力に根負けして、私は大きく溜息をついた。

……こうなったら。
私の思いの丈を全部ぶつけてやる。


「私は、あの世を信じるとか信じないとか、そんなのどうでもいい。これから死ぬのにそんなの気にするとか馬鹿みたい。
……って言うか、何で今更死ぬ動機とか語ってるの?貴方達、自分が如何に可哀想だったかをアピールしちゃってさ。それで、お互いに悲嘆に暮れてる訳なんでしょ?そんなエゴイズム、私は求めてない。
私、同情とか1番嫌いなんだよね。
そんなのただの演技にしか見えないから。
それに、本当に辛い事って、本人にしか分かる訳ないと思うし。
奈倉さんも奈倉さんで、人に聞くだけで自分は何も答えようとしないのはおかしいよ。
と言うかまず、これから死ぬ人に死後の事を聞くというその質問自体がタブーだと私は思う。
それに、コレって自殺オフ会でしょ?もっとすぐに死ねるのかと思ってたのにこんなに間延びさせて、3人とも本当に死ぬ気あんの?って疑いたくなっちゃう。
本当は死ぬのが怖いだけなんじゃないの?」

「はぁあ!?ちょっとアンタ何なのよ!?死ぬ気がなかったらこんなとこには来な……」

「あぁそう。じゃあ誰が貴方を殺しても文句ないよね。だったら私が貴方を殺してあげる」


私に対して怒りをぶつけた1人の女の人に対し、私も結構本気でキレた。
常に持ち歩いてる鋭利なナイフを取り出し−女の人に突き刺そうとする。


「やめて!!」


その女の人が悲鳴を上げるけど、私は気にしない。
その女性に有りっ丈の殺意を向けながら、私はナイフを握った右手を高く振り上げた。


「さようなら」




[*前へ][次へ#]

2/6ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!