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Confusion!!(修正前)
2.
と、言う訳で翌日。


「来良学園到着〜」


わー、と棒読みで独り言を呟きながらパチパチと手を叩く。
……何だか凄くイタイ人みたいだ。
誰も見ていなかったからまだ良いけれど、コレで誰かに見られてなんかいたら相当アイタタな人だと認識されていただろう。

取り敢えず、職員室に声を掛け、校長室に行ってから、自分の教室である3-Bへと向かった。
さっき校長先生が私の事を厄介者を見るような目で見つめていたのは気のせい……じゃないよね?
「折原君が入れさせた子だから……」とか何とか言ってたけど、折原さんってここの生徒だったのだろうか。


♂♀


自己紹介も無事に終わり、転入生特有の扱いを受け、久々の学校生活1日目が終わった。

どうせ池袋に来たんだから平和島さんとかに会えるといいなあ、と思っていたら。


「そこのおねえさーんっ」


声を掛けられた。

振り向くと、そこにはいかにも軽薄そうな茶髪にピアスの青年がいる。


「……私?」


戸惑いの表情を隠せず、怪訝に茶髪の彼を見つめると、その子は


「貴方以外に誰がいるんですか?
ああ、もしかしてわざと焦らしておこうっていう作戦?嫌だなーお姉さん!なかなかやりますね!あ、しかもよく見ると綺麗。いや、お世辞とかなくムッチャ可愛いじゃないですか!
……って訳で、俺とデートしません?」


と言ってきた。

……え、何コレ。
これが所謂『ナンパ』って奴なの?


「え……いやあの、私は」


断ろうとした時、遠くから「紀田君、止めようよ!」と叫ぶ声が聞こえた。

ん?
この声、何処かで……?

そんな私の疑問はすぐに消し飛んだ。

と言うのも、そこに現れたのはー『ダラーズ』のボス、竜ヶ峰帝人君だったからだ。


「あっ」


私は思わず声をあげてしまった。
帝人君も私を見て目を見開いている。
彼と私は一度も話した事はないけれど、彼は私が折原さんと一緒にいる所を何回か見ている。
だからきっと彼も私の顔を覚えていたのだろう。


「ん?
もしかして帝人、この可愛いお姉さんと知り合い?」


茶髪の少年が帝人君に尋ねた。


「いや、知り合いって程では……」


帝人君がモゴモゴと言う。
そんな帝人君を庇うかのように私は弁解した。


「あ、あの……
帝人君の知り合いと私はよく一緒に居るので……それで、お互い顔を覚えてしまった……って言うか……」


そう言うと、茶髪の彼は納得したようにこう言った。


「いやあ!そう言う事でしたかー!
此処で俺達が出会ったのも何かの運命。
って訳で綺麗な黒髪のお姉さん!貴方のお名前は?」

「……愛峰珠音……」

「珠音さん……!
何て素敵なお名前でしょう!
ああ、俺は紀田正臣!
珠音さん、宜しくお願いしますねっ!」


そう言って、キラキラとした笑顔を浮かべる紀田君。

その笑顔が私にはとても眩しかった。

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