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Confusion!!(修正前)
1.(×1〜)
夜−池袋に着いた私は、集合場所となっていたカラオケボックスに向かった。

私がカラオケボックスに着くと、既に私以外のメンバーは揃っていた。
1人は男性。
黒いファーコートに黒の薄手のVネックのトップス、そして黒いスキニーパンツを身につけている。
一見好青年と思しき印象を受けるが、その赤い眼は鋭く光っていた。
あとの2人はどちらも女性だった。
こちらは特に変わった様子もなく、印象的な所もあまり見られない。
いずれにしても3人とも、これから死ぬ人とは到底思えない顔つきだった。
青白い顔をして暗い光を眼に宿した私とは違って。


「じゃあ、行こうか」


男性(多分この人が奈倉さんだろう)の言葉に私達は頷き、カラオケボックスの一室に入って行った。
その際奈倉さんと眼が合った気がしたのはきっと気のせいだ。


♂♀


「取り敢えず、死ぬ前に何かしたい事ってあるかな?」


奈倉さんは、ドリンクを配りながら、私達にこう聞いた。
私達は無言のままで首を振る。


「そう。でも、本当に僕なんかでいいのかな?
心中するんだったらもっといい男とか沢山いるんじゃないの?」

「いないから死ぬんです」

「そりゃ正論だ」


薄い表情のまま頷きながら、奈倉さんは私達3人を見比べた。

顔を合わせた時から思っていたけれど、奈倉さんと一緒にいると何だか全身が金縛りにあったかのように強張ってしまう。
まさに私は『蛇に睨まれた蛙』状態だ。
それに、一瞬だけど、目が合った時に、私の全てを見透かされてしまったような……そんな感覚に陥った。

なるべく一緒にいたくないな……
怖い……

そんな事を考えてると、私以外の女の参加者2人が、自殺の動機について勝手に語り出した。
奈倉さんはそれを静かに聞いている。

………面倒臭い。
自殺志願者のオフ会なのに、何で今更こんな話聞かされなきゃいけないのだろうか。
私は早く終わらせたいのに。
イライラがピークに達して来た頃、奈倉さんが私達にこう問いかけた。


「でさ、3人とも、死んだ後はどうするのかな?」




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あきゅろす。
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