Confusion!!(修正前)
1.
ここまで見てくれた人は既に解ってくれているかもしれないけれど、私は、実は『ダラーズ』に所属している。
どういう経緯で入ろうと思ったのかは覚えてない。
ただ、友達も家族もいなかったあの頃の私は、只々寂しかったのだと思う。
ネットに逃げ込んでいれば、辛い現実を忘れられる様な気がしたから。
祭りの様な喧騒は終わりを告げ、群集はまるで幻でもみたような感覚に陥って、それぞれの集団ごとに、それぞれの帰るべき道へと帰っていった。
まるで今の集まりが夢であったかのように、恐ろしい程の引き際で群集が消え去ってしまった。
後に残されたのは、路上に停まる数台の車とーいつもと変わらない夜と雑踏だけだった。
そして私はー非日常から日常へと変化していくこの池袋で、折原さんを発見した。
「折原さん」
私が呼び掛けると、彼は少しだけ目を見開いた。
「珠音……?どうしたの?
もしかして…君も『ダラーズ』の一員?」
「はい。私も『ダラーズ』のメンバーです。
意外ですね、折原さんの情報収集能力なら、私がダラーズに所属してる事位把握していると思ってました」
「生憎俺は、君の事をそんなに深く調べるつもりはなかったからね。
それに、一緒にいて色々自分で発見出来た方が面白いじゃないか」
「じゃあなんで……」
10年前の事件を知ってるんですか、と私は言おうとしたが、余り思い出したくない出来事だったので聞くのを止めた。
「しかし、凄いよなあー」
折原さんが静かに呟く。
その時、1台のバンから、ニット帽をかぶった男の人が降りて来て、折原さんに「今まで……本当にあれだけの人がいたのか?」と声を掛けた。
今度は誰だ……?
再び現れた新しい人物の登場に私は戸惑う。
「お、ドタチン久しぶり。
あー、この東京23区はね、人の数の割に驚くほど狭い。人口密度世界一は伊達じゃないさ。どこにでも現れて、どこにでも消える」
折原さんがニット帽の男の人にそう言った。
「あ、あの、折原さん。
水を差すようで悪いんですけど……この方は?」
私が尋ねると、彼は朗らかに答える。
「ああ、ごめんごめん。まだ紹介してなかったっけ?
この人はドタチン。俺の高校時代の同級生……ってとこかな」
いや、ドタチンって言われても……
私は本名を知りたいんですけど……
「あの、えーっと……ドタチンさん。
私は珠音珠音と言います。宜しくお願いしますね」
取り敢えずドタチンさんにそう話し掛けると、彼も自己紹介をしてくれた。
「愛峰、か。宜しくな。あと俺はドタチンじゃねぇ。門田京平ってんだ」
「あ、はい。解りました。門田さんですね。改めて宜しくお願いします」
そんな会話をしていると、通りの入口にセルティさんがやって来た。
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