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Confusion!!(修正前)
4.
「さて、君の疑問も解決した所だし、俺はそろそろ行って来るよ。
じゃ、さっき頼んだ事、宜しくね」


折原さんはそう言って、黒いファーコートを翻しながら出掛けて行った。


「……さて」


頼まれた仕事、終わらせますか。


♂♀


折原さんのデスクに近寄ると、確かにそこには書類が置かれていた。
その書類には『不法入国者リスト』と書かれている。
こんなもの、一体矢霧さんは何の為に使うんだろう……
まあ良い。彼の仕事に首を突っ込んだら色々面倒そうだ。
私は手早く書類を纏めると、封筒にそれを入れ、郵便受けに入れて置いた。

その後は、特にやる事もなかったので、掃除をしたり、TVを見たりしてのんびりと過ごした。


♂♀


午後10時30分。


「遅い……」


幾らなんでも遅すぎる。
折原さんは何をしてるんだろう?

私はまだ夕食はとっていなかった。
何と無く……折原さんが帰ってきてから、一緒に食べたかったからだ。
今までは独りでも平気だったのに、ここに来てからは、何だか独りきりでいるのが淋しくなってしまった。
もうお風呂に入ってしまおうか、と思っていたその時、ケータイに1件のメールが届いた。
私はそれを見て、折原さんの高級マンションを飛び出した。


向かった先はー雑踏が行き交う夜の繁華街、池袋。


♂♀


午後11時。
60階通りに向かう途中、自転車を投げる平和島さんとそれを受け止めるサイモンさんを見かけたけれど、そこは敢えてスルーし、私は東急ハンズの前へと足を速めた。

ーあ、帝人君だ。
ーでも、大人しくて生真面目そうな彼がどうしてここに?

私は頭の中に、そんな疑問がよぎる。

帝人君は、背の高い黒髪の女の人と話している真っ最中だった。
2人の纏っている雰囲気は緊迫していて、明らかに周りの雑踏とは浮いている。
そしてー暫くすると、帝人君の顔に、何かを決心したかの様な表情が浮かんだ。
その僅か数秒後。


ブーッブーッ。


私の携帯電話が鳴った。
受信BOXを開いて、メールを確認する。

そこにはー


『今、携帯のメールを見ていない奴らが敵だ。攻撃せずに、ただ、静かに見つめろ』


と書いてあった。

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