Confusion!!(修正前)
3.
「君って奴は……!
まさか俺の事を試す奴が世の中にいるとは思わなかったよ。いやあ、本当に君はいつも良い意味で期待を裏切ってくれるよねえ。
今回の君の行動からして……俺はまだ君に信用されてないのかな?
でも、コレでハッキリしたんじゃないの?
俺の情報屋としての能力、ってのをさ」
折原さんが上機嫌でペラペラと話す。
その時の彼の様子はー手に入れた玩具が予想を上回る愉しさだった事に喜びを感じているかのような顔だった。
私はいつものように無表情を作って返事をする。
「……確かに貴方の能力は認めます。特に、細かい所まで観察が出来ているところが凄いです。
……あぁ、別に観察しようと思って観察してる訳じゃなくて、人間が好きだから、見ていると自然と細部にまで目が行ってしまう、ってとこなんでしょうが」
「君だって人の事言えないよね?推理力はあるし、機転もきく。
……あ、でもやっぱり君は情報屋には向いてないかな。だって……」
折原さんが一層笑みを濃くする。
「君は、思ってる事が表情(かお)に出るから」
「!?」
少し、動揺した。
いつも、自分の気持ちを顔に出さない様に意識しているつもりだった。
それなのに何故……何故この男は、私の顔から感情が読み取れるだなんて言うんだろう。
「珠音は少し勘違いをしているよ」
彼は私の心を読んだかのように言った。
「君はいつも、気持ちを隠そうとして無表情を作ってる。
でもね、珠音。
自分では気付いてないかもしれないけど、君の表情は、いつも同じようで少しずつ違ってるんだよ。
実際、俺が君のミニトマト嫌いを予想出来たのも、情報収集のお陰じゃない。君の表情を見たからさ」
「……あの、そんなに私って判り易いですか?」
恐る恐る尋ねると、情報屋は肩を竦めて、
「そんな事もないと思うよ?俺みたいに、人間をよく見てる様な奴には解るってだけ。普通の人から見たら、君はいつでも無表情。ロボットみたいに何の感情も持ってない……そう見えるんじゃないかな?」
と言った。
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