Confusion!!(修正前) 4. 折原さんは私の上でクスクスと笑った。 でも、私は全く笑える状況じゃない。 「期待通りの反応だね、珠音」 愉しげに言う折原さんを見て、私は悔しくなったので、いつも通りの無表情を作って「何がですか」と聞いた。 「そんな顔されてもねぇ…… ホントは余裕ないんでしょ?」 「ッ……。何言ってるんですか。全然余裕ですよ」 「へぇ?さっき凄く嫌そうに抵抗してたのに?」 「〜〜〜ッ!アレは無かった事に」「する訳ないでしょ」 誰かこの人を止めて下さいお願いだからッ。 「って言うかいつまで乗ってるんですか。良い加減降りて下さいよ」 「降りて欲しかったらそれなりの言い方があるんじゃないの?」 ……何で私がそんな事しなくちゃいけないんだ。 仕方なく私は全身に力を込めて暴れようとするけれど、細身の身体の何処からそんな力が出てくるのか、彼は微動だにしない。 「ねえ、どんな気分? 抗っても何も出来ないっていうのは」 折原さんの嘲笑うような声が上から降り注ぐ。 私は無視を決め込んで再び抵抗を始めた。 「あっは。 反抗されればされる程熱くなっちゃうのが俺の性分みたいだ」 そう言って折原さんは私の耳を弄る。 ゾワリ、と背筋が凍り、私は本気で恐怖を覚えた。 「アハハハハ!」 動かなくなった私を見て、折原さんは笑い始める。 「ちょっと、何本気で怖がってるのさ。冗談に決まってるでしょ、こんなの。 無理矢理だなんて俺の趣味じゃないし、出会ったばかりの女とそういう事をする程俺は飢えてないよ。 それに、現役高校生が相手じゃ犯罪者になり兼ねないしね」 そう告げると彼はやっと私を自由にしてくれた。 冗談にしてもあんなのは酷すぎると思う。 「今日はハンバーグが食べたいな」 いつもの調子に戻ってそう言う折原さんを見て私は苦笑する。 「解りました。でも今から作ると遅くなっちゃいますよ?」 「別に俺は平気。仕事しながら待ってるから。出来たら呼んで」 そう言って彼は仕事場のデスクに戻った。 コレが、私と折原さんの日常…になるんだろうなぁ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |