Confusion!!(修正前)
3.
「珠音はさぁ、俺の事嫌いなんでしょ?
それは知ってるし、今更好きになって貰おうだなんて俺は思ってないよ?
でもさ、何であの場であんな顔する訳?
俺の前ではあんな顔しないのに」
「あの場……?
あんな、顔……?」
「……自覚ないの?」
「全く心当たりが見当たりませんど」
「……そう。まあいいや。君みたいな鈍い奴にこれ以上言っても無駄だしね」
そう言って折原さんは、やっと解放してくれた。
私は訳が解らないまま、取り敢えず折原さんを睨み付けておく。
「ヤダなあ、そんな顔するなよ。俺が救いようの無い悪人みたいじゃないか……
そう言えば、君って普通にしてればそれなりの顔なのに睨むと怖いよねぇ?」
「褒め言葉として受け取っておきますね、ありがとうございます」
「はぁ……珠音と話すのってホントに疲れる……
そんなに俺の事が嫌?」
「昨日も言いましたよね?言うまでもありませんよ」
「酷いなあ。俺は珠音の事、大好きなのに」
「……は」
いや、嘘でしょ?
「人間として、だけどね」
「……」
私は、凄まじい精神力で、折原さんに平手打ちをかまそうとする左手を押さえつける。
「あれ?もしかして勘違いしてた?」
そう言ってニヤッと嗤う折原さんを見て、私は怒る気も失せてしまった。
「……折原さん」
「ん? 何?」
「夕飯、何がいいですか」
「んー……珠音」
「……は?」
呆気に取られている私に「いいじゃんいいじゃん」と彼は面倒そうに言って、私をソファーに押し倒した。
「ちょっと!どいて下さい!」
折原さんを押し退けようとするけれど、私の腕力ではそれはかなわない。
「や……だ! 離して!」
ーこの人、私の反応見て愉しんでる……
折原さんは、私の事が好きでこんな事をしている訳じゃない。
私が嫌がる顔とか、私が羞恥に顔を赤く染めている姿を見て愉しんでいるだけだ。
頭ではそんな事は解ってる。
解ってるけど、折原さんの綺麗な顔が目の前にあったらーどんな女の子だってドキドキしてしまうのは当然だろう。
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