[携帯モード] [URL送信]

Confusion!!(修正前)
2.
某マンションの最上階の折原さんの部屋の玄関を開けると、部屋は暗くて誰もいないようだった。
折原さんがいたら何と言い訳をしようかと悩んでいた私は、ひとまず安堵の息をつく。
今日の夕飯を何にしようかと考えながら中に入るとー


「遅かったね、珠音」


暗闇の中で透き通る様な爽やかな声が響いた。


「!?」


バッと声の聞こえた方を振り向いた途端、声の主ー折原さんが私の両手首を私の頭の上で一纏めにして掴み、私は壁に押し付けられる。


「ちょっ……と、何のつもりですか、折原さん」

「その生意気な目……
良いねえ、最高だよ」

「話を逸らさないで下さい。
って言うか、手を離して下さい」

「何言ってんのさ。俺が理由も無くこんな事すると思う?」

「じゃあ何なんですか」


私が苛立たしげに言うと、折原さんは嗤った。


「解ってる癖に」


何だろうこの感じ。
怖い。
まるで初めて会った時みたいだ。


「君さぁ……俺が逃げた後、」


ブチブチッ。

折原さんが、私の手を掴んでいない方の手で私の髪を躊躇いもなく引っ張る。
抜け落ちた私の髪の毛がハラハラと床に落ちた。


「何してたの?」

「いッ……!」


痛い。
けど、此処で痛いなんて言ったら折原さんの思うつぼだ。


「ッ……サイモンさんと平和島さんとっ、話をしてっ……それ、から、平和島さんが……ッ、岸谷さんの所にっ、連れて行ってくれたので……治療して貰いましたッ……」


痛い痛い痛い痛い痛い。
痛みを堪えているせいで息が絶え絶えになってしまう。
私の顔は痛みに歪んだ。
折原さんの顔は、残酷でいて愉しそうに歪んでいる。
彼の赤い瞳だけが暗い部屋の中で不気味に輝いていて、兎に角この人が怖くて怖くて仕方なかった。

[*前へ][次へ#]

2/5ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!