Confusion!!(修正前)
4.
セルティさんが、ゆっくりとーフルフェイスメットのシールドを上に押し開いた。
闇。
目の前にあるのは、何も無い空間。
ーああ、無い。本当に無いんだ。
私は不思議と、恐怖は何も感じなかった。
ただ、冷静に事実を受け止めていた。
すると、セルティさんが、
『君は、私が怖くないのか?』
と打ち込んで私にPDAを差し出した。
私は、セルティさんの様子が、何だか平和島さんと少し重なってしまって、ふっと頬が緩んでしまった。
『??
何が可笑しいんだ?』
セルティさんが、再び打ち込む。
「いえ…可笑しいと言うか……。
何だか平和島さんとセルティさんって似てるなぁと思って。だって2人とも、『自分の事が怖くないか』って聞くんですもん。私にとっては、2人ともとても優しくて思いやりがあって良い人なのに。
話を戻しますけど……何で私がセルティさんを怖がる必要があるんですか。確かに貴方は人間ではありません。でも、それがどうしたって言うんですか。たとえ人間だろうとそうでなかろうと、此処に貴方がいて、誰かの幸せの為に存在しているなら……それでいいじゃないですか」
私がそう言うと、セルティさんも、そして平和島さんと岸谷さんまでもが唖然としていた。
……あれ。私、何か変な事言ったかな……
すると突然、セルティさんが私に抱き付いてきた。
「!?セ、セルティ、さん!?」
『珠音ちゃん!君は何て良い子なんだ!
私には……今までそんな風に言ってくれた人は、新羅以外にはいなかったんだ。
本当に、ありがとう』
そう打ち込んで、セルティさんは私の身体を離した。
そしてー
『珠音ちゃん……その……
私と、友達になってくれないか……?』
と、少し恥ずかしそうに、私にPDAを差し出した。
ああ、セルティさんって……
すっごく可愛い。
「そんな……
もうとっくに友達じゃないですか」
私が言うと、再びセルティさんが抱きついてきた。
「あの……セルティさん、1つ、質問してもいいですか」
私は、セルティさんに抱きつかれながら聞いた。
『何だ?』
「セルティさんって……性別は女性ですよね?」
ー沈黙。
え。もしかして私物凄く失礼な間違いをしちゃった……?
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