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Confusion!!(修正前)
3.
「まあ、俺に女の子を殴る趣味は無いけどさ」


次の瞬間ー
折原さんの右手の中には、小柄なバッグが納められていた。


「あれ? え?」


女の子のうちの1人が声をあげる。

そりゃそうだ、自分の肩に提げてたバッグを、何時の間にか折原さんが持っていたのだから。

でも、何で?

私はーそして多分帝人君もー折原さんの動きをずっと見ていた。
今、折原さんが背中に回してる左手には、1本の鋭いナイフが握りこまれている。
でも……
私は、折原さんがナイフを何処から出したのかも、それに、女の子のバッグの紐を斬った瞬間さえも認識できなかった。

折原さんはその折り畳み式ナイフを器用に畳むと、手を背中に回したまま、自分のファーコートの袖にしまいこんだ。
因みに、それも全部左手だけの動作である。

そして彼はニコニコと笑いながら、そのバッグの中から携帯電話を取り出した。


「だから、女の子の携帯を踏み潰す事を新しい趣味にするよ」


そう言いながら、折原さんは女の子の携帯電話を宙に解き放つ。
カシャンという軽い音が響き、シールがベタベタと貼られた携帯電話が転がった。


「あッ、てめ……」


女子が慌てて拾おうと手を伸ばしたところでー
その指先を掠めるように、折原さんの足が携帯に踏み下ろされた。


「あぁーッ!」


女の子が叫んでいるのも折原さんは気にしない。
そのまま何度も何度も右足を踏み下ろす。


「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

「ちょ、こいつヤバイよ!なんかキメてるよ絶対!」

「キモいよ!早く逃げよう!」


携帯を踏み潰された女の子は放心したような目でその様子を見てたけど、他の女子2人に引きずられるようにして大通りへと逃げて行った。


……今回ばかりは、流石の私も、あの子達に少しだけ同情してしまったのはここだけの秘密。

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